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ニュース〜医療の今がわかる

医療基本法をめざす人々

埴岡
「がん対策基本法は最初に民主党と公明党とがイニシアチブを取って、しかもその中身が患者から見ても高いレベルで瓜ふたつだったことが幸いしたと思う。状況が進んで、自民党としても乗らないわけにいかなくなった。今回もそういう風になればと思う。続いて患者参加のあり方財源や財源のあり方を決めるプロセスについてどう展望するか」

伊藤
「一つは基本の医療政策を決定するうえで、そのプロセスにどう参画するか、医師会や看護協会といった主に医療提供側が集まっていた検討の場に明確に患者が参加すると位置づけるべきだろう。そして常に負担と給付の関係について議論していく、今までの各論の審議会よりさらに上部の審議会みたいなのを想定している。それを盛りこんでもらえれば」

海辺
「患者参加は世界の先進各国では当たり前だが日本は始まったばかりで試行錯誤にならざるを得ないのかなと思う。ただ、がん対策協議会に参加してみて、いかに医療というのがその世界の常識に囚われて当たり前のことを考えられないようなガチガチになっているかと強く感じた。その意味で思うのは、利害に関係ない人が加わること自体が大きい。場合によっては、患者ですらない市民の参加が必要かなと思う」

浜四津
「患者さんのための医療という本来の目標を達成するためには、政策決定の場に正規メンバーとして参加し声を発することが必要だろう。がん対策協議会がモデルになるのでないか」

鈴木
「現場は、まず患者、その横にいて診療にあたる医療者、この両者がよきパートナーであることが大切なんだと思う。今まで、この両者とも政策決定の場には入れていなかった。たしかに日本医師会は代表者を出しているけれど、患者さんの診療にあたっている勤務医の声を代弁するメンバーは出ていない。むしろ、その両者を中心に構成するべきなんでないか。それからやはり市民が大事。負担と言った時、納税者、保険者、患者本人の3者の負担がある。市民が入ることで前2者の負担も考えることができる。

政治家として申し上げるのは以上なのだが、加えて制度設計の公共政策論を研究している身として申し上げるならば、患者さんと一口に言っても様々なグループがあって、それぞれの利害が相対立することも少なくない。たとえば未承認薬を早く承認しろという方々と、薬害を出すなという方々、どちらも大事。だが足して2で割っても何にもならない。連立方程式として、より高度な次元の解を見出す必要がある。そのためには相当の知恵が必要。患者というカテゴリーも大事だが、同時に、色々な立場の人を包含していくことも必要だ」

埴岡
「患者会は一枚岩になるべきというご指摘だが、その辺りどうだろうか。いきなりで申し訳ないが長谷川代表」

長谷川
「おっしゃる通り。個別の患者会のあり方はそれぞれあって、一方で共通する基本法については共通して声を出せると思う」

埴岡
「ビジョンとしては大連合をめざしている。超党派の議連と患者の協議会が重なっていけばかなりのことができるだろう。負担と給付の割合に関して、この会場で医療費を増やしてもいい、そのための負担が増えてもいいという人挙手を。はい9割が増やしてもいいと言っている。しかし国民の中ではその意見はマイノリティ。どうやってマジョリティにしていくか」

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