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ニュース〜医療の今がわかる

周産期・救急懇談会3

岡井
「救急医療体制について議論しているわけだが、それぞれの地域でどうなっているかというような情報は?」

阿真
「全く伝わってない。だから私の所に教えてほしいと言ってくる」

大野
「大事な指摘。お産が必ずしも安全でないということは段々分かってきたと思うのだが、でもその先に進まず漠然と私は大丈夫だろうと思っている人がほとんど。1次機関として、危険が分かってくれば、高次な機関に行きたくなるんだろうと考えていた。しかし開業して5年経つが、むしろ我々の所へ来たい方々がいるということが分かってきた。たしかに大学では重症の方たちを診てきたけれど、しかし10ヵ月もつき合ったわけじゃない。母親学級で伝えるのもよいだろうが、しかし、命の危険があるというような話を知らない人からバーンと言われて受け入れられるものなんだろうか。何ヵ月も顔を合わせて信頼関係ができてからだったら聴いてもらえるんじゃないか」

阿真
「こういう場で話していることが、お母さんたちにうまく伝わらない。伝わるためにはクッションとなる助産師や保健師が状況をよく理解してどう伝えるかにかかっていると思う。私たちの活動でも、コンビニ受診を控えようとは絶対に言わない。不安がある中で抑え付けようとしてもお母さんたちがついてこない。そうじゃなくて不安を減らしましょうという言い方が必要。それが結果的にコンビニ受診も減らすことになる

 この方法論の必要性は、最近とみに感じており、実は、ロハス誌も軌道修正が必要だと思う今日この頃。まさに仰る通り。

嘉山
「早産が増えているというのを初めて知った。ここで尋ねるのは違うかもしれないが、日本のお産は他国よりリスクが高いのか」

岡井
「不妊症の治療が進んで多胎が増えてる。それからハイリスク妊娠も、妊娠する年齢が高くなっているのと、それから感染もある。環境が悪くなっているのもある」

阿真
「先ほどの大野先生のお話。かかりつけ医が全部果たしてくれれば、私たちのような活動は必要ないかもしれない。何回も何回も診察の中で言ってもらうのがベストだと思う」

杉本
「出産が必ずしも安全ではない。たしかにそうだが、しかし99.995%の人は死なない。それはほぼ安全と考えてよい数字ではないのか。危ない危ないというと却って不安をかき立てる。日本のお産が世界でも安全なことは間違いなく、その年間50人ほど亡くなるのを減らすのはかなり難しい。今回は不安の問題と安全性の問題は切り離して議論した方がよいのでないか。死ぬかもしれない危険だということで不安なのか、何かあった時にちゃんと対応してもらえないかもしれないのが不安なのか」

阿真
「後者」

杉本
「システムができてないということに」

阿真
「はい、そう」

岡本
「啓発の問題は、妊娠してからでなく学校の時から、いのちの教育でやるべきなんでないか。その授業時間が非常に少ない。もっと時間を取って、自分たちが何をしなければいけないのか、たばこの問題とか予防の問題とか、救急車の使い方とか、落ち着いて話をできる時にやっておくことが重要だ」

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