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ニュース〜医療の今がわかる

周産期・救急懇談会3

ということで、専門家的には話が足踏みしたように感じるんだろうが、こういう話をすっ飛ばして何か決めても、国民は議論に参加したつもりがないから(だって何話しているか分からない)、悪い結果が出た時に、それが自分たちにも責任があるとは思わない。実に意義深かったと思う。

この後、議論はNICUの体制のことなどに移る。
田村
「お母さんの救急搬送依頼があった場合にはとにかくセンターで受け入れてそれから考えるという話。発想としては全く正しいと思うのだが、それだけで走り出すと新生児の側で問題があるということを説明したい。この間の墨東の例は35週だから赤ちゃんには特に問題はなかったと思うのだが、22週ぐらいの赤ちゃんだと400グラムにしかならない。400グラムというと3本の指に乗る。その赤ちゃんに、こよりのような管で挿管して、大臣の髪の毛ほどの太さしかない血管に針をいれて点滴しながらセンターをめざす。ところが、そこまでうまくやっても搬送途中の揺れで頭蓋内出血を起こしてしまうことがある。最初からセンターで生まれていればそのようなリスクは負わなくて済むのに。大野病院事件の後で比較的軽いものもセンターに回ってくるようになった。比較的胎児が軽いと思われるもので、NICUがいっぱいでも、お母さんが緊急なら断らないというのは果たして正しいのか。というのが、1次機関でどこまで判断できるのかという問題がある。ああいったことがあった後だけに、おそらく念には念を入れてということが起きる。そういうお母さんが来た時に、総合周産期母子医療センターでなくても診られるという判断がついたらどんどん別の施設へ回すということにならないと、結局、本当に危険な胎児がセンターで分娩されず、母体搬送の時代から新生児搬送の時代に戻ってしまう。

最初からNICUが足りないのに、さらにNICUに毎年200人ずつ出られない赤ちゃんが溜まり続けている。

この状況を放置しておいて、母体緊急のおそれがあるというだけで、どんどん引き受けるのは難しい。医師の勤務改善とNICUの増床も並行して行わないと絵に描いたモチに終わる。

比較的簡単にできるのは、NICU程条件の縛りのキツくない準NICUを設けて、診療報酬で評価すること。小児科医が病院の中に24時間常駐していれば、あとは看護師が3対1だけでよいことにする。今多くの病院が小児救急を取るかNICUを取るか岐路に立たされてNICUを閉鎖している。新生児医療が崩壊すれば総合周産期母子医療センターの受け入れも担保できない」

川上
「NICUに入れる新生児を1000グラム以下に限定すれば回るか」

田村
「1000グラム以下の赤ちゃんが年間3000人生まれる。NICUは2000床ちょっとしかない。1000グラム以下の赤ちゃんすら収容しきれていない」

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