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ニュース〜医療の今がわかる

後期研修班会議8


3番目のスライド

渡辺
「出産を扱うということについて。日本では少子化が進んでいて、さらに高齢出産も増えているためにリスクを負いたくないということで全部専門の所へまわしてしまうので産科が大変なことになっている。GPが出産を取り上げて訴訟はないのか」

ネイバー
「出産自体を扱うGPは殆どいない。それはリスクがあるから。出産はほとんど病院で助産師がしている」

川越
「GPがどの位のことをされているのか。妊娠で危険が高いのは初期に最低限超音波診断の能力は要求されると思うが」

ネイバー
「初期に病院でリスク評価をされて36週まではGP、その間にGPが心配なことがあると、もう一度超音波診断をしてもらえる。このセーフガード。妊娠では予期せぬ出来事が起きて悲惨なことになりかねないので、そこを見極める」

渡辺
「日本では地域バランスと同時に科の偏在も起きている。家庭医が全体の32%という数字だったが、この32%は常に変わらないのか。維持するために、どのような誘導をかけているのか」

ネイバー
「医療従事者の育成計画は大変難しい。誰も正解を持ってない。割合は変わってない。全体の人数が増えているわけで、その分働く時間が変わっている。私が卒業したころは家庭医の40%が女性だった。今は60%。当然ながら女性は出産があるので働き方は男性と異なる。医学の進歩を予測できる人は誰もいないので、たとえば認知症を予防したり改善したりできる手術が開発されたりすると、状況はまた変わるだろう。医療を巡る状況は振り子のように振れていて10年前は医師が足りずに輸入していたが、現在は英国の医学部の卒業生が十分な数になっている。私は専門家ではないので、同じ問題があるということは認識しているが、これ以上詳しく説明することはできない。家庭医への誘導というのは特に必要なくて、空席より希望者が多い。給与がコンサルタント専門医より高いというのも影響していると思う」

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