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火だるまになっても「概ね了承、座長一任」~医道審医師臨床研修部会


「病院の定員の話なのだが、20以上の定員がある場合は産科と小児科の医師不足の科への対応を義務付けることになっているが、これを枠内とすると、もし元々それら向けのプログラムを持っていなかった場合、マッチしないと2割減少になってしまう。どうしても設けよというなら定員外の方がよくないか」


田原
「たしかに可能性としては、そういうことも起こりえる。そういう部分も含めて激変緩和の考えはあり、枠外にすると全体の枠を管理するのが難しいので、枠内で考えたい」
マッチングの仕組みというのは、手段なんだろうとばっかり思っていたのだが、田原室長の頭の中では仕組みを守るということが、かなり目的に近いらしい。

山口
「別枠にすることと応募のあるなしは別。フルに埋まるとは思えないから全体への影響はそんなに多くなかろう」

田原
「特別枠が埋まっているところもある。さらに定員を20以上持つ機関というのは100以上ある。大学病院も含め、それぞれ産科と小児科のプログラムを別にすると400プログラムが増えることになり簡単ではないのかなという気がしている」

山口
「大きい所には義務付ける。選択なら今の説明で分かるのだが、枠の1割を割けということは定員を1割減らせということになる」

小川秀興・順天堂理事長(この日から部会員に就任)
「山口委員の言うことに理はある。産科、小児科、救急は、これ以上減らしてくれるな、むしろ増やしてくれというのが、国民社会の要請だ。そこにチャンレンジしようとする者をエンカレッジすることが本筋で、ねばならないというのではなく、別枠とするが総枠の1割以内とするとしても、それほどのおかしさは出てこないだろう。できればチャレンジしてほしいし、ある程度の数が集中している病院の方が効率よく教育できるというのもあるから、0になってもチャレンジしてほしいという働きかけはありうる」

相川
「確認だが、救急は全体の必修であって、特別枠を設けよという話ではない」

小川(順天)
「現在のディスカッシングポイントは産科と小児科。ただし将来的には、麻酔科とか放射線治療科とか病理とか医師不足の科も流動的だろうし、ねばらならないとして枠が埋まらず、その分翌年に枠が減らされてどんどんジリ貧になっていくよりは、別枠でチャレンジした方がよくないか」

富永
「実際のところ、定員が20以上の病院ではどうなっているのか。現在でも志望者がそれぞれ1割以上いるなら、そういうコースを設けるメリットもあるだろう。現状どうなっているのか」

相川
「どなたか20以上の病院の事例を話せる方はいないか。あるいは事務局、資料があれば出してほしい。後期研修の際に産科、小児科を選んだ割合ということになるだろう。すぐに資料出なくても、議論している間に調べられるか」

田原
「大学病院の特別コースをどの程度が選んだかというデータはあるが、全体でどういう傾向か直ちに把握するのは難しい」
この項目に対して弾が飛んでくるとは予想外だっただろうから若干同情の余地はあるものの、立案の基礎になるような調査はせず、思いつきで案を出していることを語るに落ちてしまった。これに対して委員から痛撃が加えられる。

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