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脳卒中パス参加医療機関の合同会議が初会合―東京都

 
 
■診療情報提供書機能を含むパスに
[大久保さつき・都福祉保健局参事]
先生方がほかの地域パスの話を聞いて「ここが参考になった」というところがあればお聞きしたい。
 
[石川陵一・聖路加国際病院副院長(東京東部脳卒中連携協議会)]
それぞれのパスは似たようなことやっており、表現だけの違いかと思った。ただ今の話については、やはりパスに目標値やそういったところまでを入れるのは、パスをどう扱うかということで、現場の抵抗もある。パスを書いたのに診療情報提供書も書くのかと。診療情報提供書でそういったことを伝えていくので、パスは「接着パス」というか、伝票の一部に過ぎない。もっと簡素化すべきと思う。
 
[丹正]
パスは基本的には簡素化すべき。長続きして広く利用されることが必ず大切。すべて計画管理病院が管理するというスタンスを取ること自体疑問。各医療機関の主体性を重んじるというスタンスで、そういう雰囲気が大事。お互いを尊敬し合うのが各医療機関との連携に重要で、形上の結果を求めればいいのではない。もし他の医療機関がガイドラインに即していないと思っても、「即していない」とは言わないで勉強会をやる。エビデンスに反映されなくても大事なものもあるので経験則を否定しない、ということ。
 
[池島和義・博慈会記念総合病院地域連携科長(足立区脳卒中情報ネットワーク)]
それぞれの地域でパスをされているのを聞いていて、基本的には内容は同じものではないかと思った。足立区は取り組みが非常に早く形も出来上がったが、まだまだ動きが悪い。世話人会でも急性期病院はまだまだ力が足りないのではというご意見があった。救急搬送体制が新しくなり、足立区の急性期病院に脳卒中患者の搬送が少なくなったという意見が多く出ている。足立区の脳卒中ネットワークとして、区内の2次救急に緊急アンケートを行っていて、足立区の患者がどこに行っているのかという意見を聞いているところ。
  
[星野]
10の演題を聞き、各病院はよくやっていると思う。また、予算もついておらず、そういうことがないからやらないのではないが、回復期も書類が多く疲弊してしまっている。患者さんに有益な書類以外は書きたくないと感じており、その辺の統一を図りたいと思っている
 
[高橋眞冬・青梅市立総合病院神経内科部長(西多摩地域脳卒中医療連携検討会)]
各パスはとてもつくりこんであると思った。連携パスは非常に難しいところだが、大事なのは、患者さんの生活ということを基本に考えないと、いろんなことに隔たりが出てくるのでは。救急病院では医者がリーダーシップを取るが、在宅ではいつも医者がいるかといったらそうではない。家族や本人が生活しているということを主体に考えないと、救急救命はできないと考えられる。INRの話もあったが、そういったことを守れないご家族もいるので、ご家族を援助していけるような優しい仕組みになっていけばいいと思う。
 パネリスト右.jpg
[大高]
多摩南部は歴史が一番長く、在宅に結び付けて患者さんのニーズを把握し、行政も巻き込んで作りこんでいると思う。患者さんの急性期から在宅までを見つめながら、場を作ったり、いい在宅生活を送ったりできるように考えることが大事。自分たちもそう思っているのでそうしていきたい。
 
[橋本幸司・武蔵野赤十字病院医療連携センター(北多摩南部脳卒中ネットワーク研究会)]
パスに関して第一優先な事は、患者さんやご家族が読み安く理解しやすい内容であること。活字を大きくするとか優しい言葉にするとか。医療者用は専門用語多く分かりづらいものになっているが、なるべく文字を大きくするとを心がけて作成したもの。
 
[鴨下博・多摩北部医療センターリハビリテーション科部長(北多摩北部脳卒中連携パス研究会)]
一つはパスを簡潔にしていくという方向、一つはまとめていくという方向も大事だと思う。脳卒中治療においては予防が第一で、プライマリケアの観点からいうと再発予防、リハビリの観点からいうと介護予防。それに役立つ連携パスを時間をかけて東京都でまとめて、一つのものができればいいと思う。
  
[徳岡健太郎・東海大医学部附属八王子病院救急センター長(南多摩保健医療圏脳卒中医療連携協議会)]
これほど多くのパスを一回で見れる機会はなく、非常に勉強になった。南多摩のパスはまだできたてほやほやで、どうやっていいかというのが分からず手探りの状況。ただ、圏域の協議会で話し合って一致しているのは、簡素化するということ。これ以上項目をなるべく増やさないということにしたい。急性期病院は忙しい最中で、書類を作ることに抵抗感を示すということもある。一部でこれを紹介状形式として、診療情報提供書と一つの形にしてパスを送ることを試みられている圏域があったので、そういった形で我々もパスと診療情報提供書を一つにまとめてオーケーという形にしようかと思い、参考になった。
 
[安保雅博・東京慈恵会医科大リハビリテーション医学講座主任教授(Metropolitan Stroke Network研究会)]
皆様本当にご苦労なさったと思う。地域で特徴があるので、なかなか一つになっていくのは難しいと思う。パスが重要という思いは皆様同じなので、ご尽力できればと思う。できれば診療情報提供所を回復期や維持期に送る場合、共通のものにできないかということを10のパスを聞いていて感じた。また私たちのところでも集まって話し合いたいと思う。
  
[会場]
連携という言葉を中心に考えるとパスだけでは片付かない、怖がらずに急性期から回復期に患者さんを預けるようになってほしい。まだパスに参加しないけど回復期の患者さんを診ているところはたくさんあるので、参加しやすくなる形にしていってほしい。参加しやすくなるよう、リスクについては記載欄を設けてほしい。わたしは毎週3つの回復期病院を回っているが、(その病院にとって前方の)急性期はそれぞれ全然違うことをやっていて、情報不足のまま回復期に来てしまい困った状況になっていて、「急性期に返しましょう」というケースもある。できるだけいろんなところが参加できるように今後やっていってほしい。
 
[徳岡]
在宅を診る医師会の先生方や包括支援の方々が本当に参加していただけるかという不安がある。計画管理病院という形と提携病院は保険診療上の点数が付くが、医師会や包括支援の方は忙しいとかねがね聞いている。記入する項目をさらに増やされると困ってしまったり、ご自分たちで使われていた用紙があるのになぜそれを書くのかというご意見もある。そういったところに行政の方々から何らかの形でご支援をいただければと思う
 
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