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ニュース〜医療の今がわかる

中央社会保険医療協議会―09年度第5回(6月3日)

■ 基本問題小委員会
 

1.DPC(DPCへの参加及び退出)
 厚生労働省が提示した「DPC対象病院への参加及び退出のルール等について(案)」を了承した。5月20日の前回会合では、厚労省が示した「たたき台案」に支払い側の委員が反発したため継続審議となっていた。このため、遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授)が支払側と診療側の委員と事前に調整するよう指示を出し、厚労省はこれを踏まえた修正案を再提示。これを支払い側委員が受け入れた。
 
6月3日の中医協1.jpg 新たなルールは今年度から適用。DPC病院から自主的に退出できるのは2年に1回の改定時で、2010年度改定時に自主退出を希望する病院は、今年10月31日までに届け出ることが必要となる。

 ただ、「特別の理由」がある場合は、中医協で退出の可否を判断した上で、改定を待たずに退出できる。

 「特別の理由の例」として厚労省は、▽医師の予期せぬ退職等により、急性期入院医療を提供することが困難となった場合 ▽当該病院の地域での役割が変化し、慢性期医療を提供する病院となった場合―の2つを挙げているが、「急性期入院医療」「慢性期医療」の具体的な解釈は示していない。
 DPCから退出しても、「急性期医療を提供する場合」には、引き続き2年間はDPCの調査データを提出することを求めている。
 ※ 委員の発言要旨は、入院できる急性期病院が減る? 増える?―DPC退出ルールでをご覧ください。

2.その他
(1) 薬剤費における後発医薬品の占める割合(金額シェア)
 DPC病院のうち82か所の特定機能病院(平成15年度DPC対象病院)で後発品の使用が進んでいないため、「平成15年度DPC対象病院」の後発品の使用割合を病院別に公表した。5月20日の前回会合で、山本信夫委員(日本薬剤師会副会長) が要望していた。

 それによると、2008年度の平均は5.6%と低い水準で、10%を超えたのはわずか8病院だった。
後発品の使用割合が最も低かったのは、新潟大学医歯学総合病院の1.3%、次いで東海大学医学部付属病院(1.7%)、山形大学医学部附属病院(1.8%)、藤田保健衛生大学病院(同)、和歌山県立医科大学附属病院(同)―などの順。

 一方、使用割合が最も高かったのは、国立循環器病センター(14.7%)で、これに横浜市立大附属病院(14.1%)、杏林大学医学部付属病院(12.6%)、東邦大学医療センター大森病院(12.2%)、川崎医科大学附属病院(11.7%)―などが続いた。
 東京大学医学部附属病院は3.1%、京都大学医学部附属病院8.5%、大阪大学医学部附属病院4.7%、千葉大学医学部附属病院7.3%、慶應義塾大学病院6.3%、自治医科大附属病院3.3%だった。

(2) 外来管理加算を導入した経緯の説明
 2008年度診療報酬改定の緊急課題とされた病院勤務医の支援策(勤務医対策)、08年1月30日の中医協総会に提出された「病院勤務医支援に関する公益委員の提案」について、保険局医療課の佐藤敏信課長が説明。「外来管理加算」の5分要件によって捻出するとされた240億円の算定根拠について、「議事録に残っていない」と認めた。

 藤原淳委員(日本医師会常任理事)は、「ただ今の佐藤課長のご説明、一定の理解はさせていただいた」としながらも、「今後、社会医療診療行為別調査等の結果を踏まえて、また検討していただきたい」と述べ、次期改定に向けた基本診療料をめぐる議論の中で、改めて「5分要件」の見直しを求める構えを示した。

 遠藤委員長は、「もし、(240億円という)具体的な数値があるのならば、"平場"で算定根拠を明らかにすべきだったと私は思う。一部の委員(だけ)が、それを知っているということは、あまりよろしくない。これは表に出して言うべきだったし、われわれ委員としても、『算定根拠をどのようにして出したのか』という質問をすべきだったということを、私も含めて反省している」と述べた。

 その上で遠藤委員長は次のように述べ、次期改定に向けた議論では、改定率が決まる前に具体的な数値を出して議論すべきとした。
 「今後はできるだけ、算定根拠等々については、表に出して議論するようにしたいと心掛けている。限られた財源の中で医療費を配分するのがわれわれのミッションなので、具体的な数値が概算で出ないで議論していること自体、不自然と言えば不自然。予算をどう配分していくのかという基本的なところは、(改定率が決まる前の)早い段階から議論してもいいと思う。具体的な数値を出すということは、今後の議論で非常に重要だと思っている」

 ※ 前回の中医協(5月27日開催)は、こちらをご覧ください。
 
 
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