揺れる「地域医療への貢献」 ─ 中医協・DPC評価分科会
■ 医療計画で定める事業等について、地域での実施状況による評価 → △
[西岡分科会長]
いくつか問題点を(池上委員から)指摘されている。これについては、いかがだろうか。
[松田委員]
研究班の報告で示したように、やはりボリュームの大小で評価することは適切ではない。
(新たな機能評価係数として採用する)「DPC病院として正確なデータを提出していることの評価」や、「医療の質に係るデータを公開していることの評価」と併せて、(医療計画の実施に関する)データを公開していること自体を評価すべき。
[齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)]
4疾病5事業の糖尿病の扱いについて、(池上委員の指摘によって)揺れているようだが、糖尿病を主たる病名にした入院は非常に少ない。つまり、急性心筋梗塞や脳卒中の基礎疾患として(糖尿病を)持っている。
従って、ここで(新たな機能評価係数として)無理に評価するのではなく、(糖尿病対策の取り組みは)診療報酬体系の別の部分で評価するのが妥当。
[西岡分科会長]
この件(医療計画で定める事業の評価)については、松田委員が言うように、データの公開で評価する方向で進むのがいいかどうか。
それから、「4疾患」、あるいは糖尿病を除いた「3疾患」の患者の受け入れをどのように評価すべきか。よろしいだろうか?
(特に意見なし)
そうすると、医療計画で定める事業の評価については、データの公開を評価するという松田委員の意見に従い、「様式1」の見直しの議論の中でやらせていただきたい。そうすると、ここの項目はすべて×になってしまうが......。
事務局としては、すべて×になってしまっていいだろうか。(地域医療への貢献度評価は)基本問題小委員会から強く要望されているが。
[長谷川補佐]
松田委員から、「データの公表で代用できる」との意見があったが、地域(医療への貢献度)への配慮を(基本問題小委員会から)求められているので、できれば「3疾病」を△でお願いしたい。
[西岡分科会長]
(DPC評価分科会は地域への貢献度評価を)「やっていないのか」と(基本問題小委員会で)言われてしまう。
ただ、糖尿病については難しいという意見があったので、「3疾病」については、「全DPC対象患者」との割合、あるいは患者数そのものといった軸で分析する。
そうすると、「3疾病による入院患者数」と、「3疾病による入院患者数/全DPC対象患者」の2つを候補にする。
[長谷川補佐]
(分母が)「2次医療圏人口」(の指標)も。
[西岡分科会長]
では、「3疾病による入院患者数/当該医療機関の所属する2次医療圏の人口」も入れさせていただく。
▼ 反対意見なく了承。以下は今後の議論に関する意見。
[酒巻哲夫委員(群馬大医療情報部教授)]
4疾病5事業については、(新たな機能評価係数として採用する)「DPC病院として正確なデータを提出していることの評価」に組み入れたらどうか。「様式1」(診療録情報)の「非必須項目」に入れる。
[池上委員]
「3疾病による入院患者数/全DPC対象患者」について。3疾患の患者が大きな構成比を占める病院が大部分ではないか。まず、「3疾病による入院患者数/全DPC対象患者」を出してみて、構成比が高いとすれば、どの辺を分岐点にして係数を付けるかを考えるべき。
分岐点の取り方によっては、かなり恣意的な係数になる危険性があるので、分布を提示していただきたい。
[西岡分科会長]
ありがとうございます。今後、(これらの候補に対応する)データづくりを加速していただきたい。
[長谷川補佐]
池上先生が要望した分布については、本日配布した資料(各項目の評価指標の検証・基礎データP54、55)に示している。
[池上委員]
それを見た上で申し上げた。分布に特徴的な傾向が見られないという印象を受けた。この分布がもっと幅広くあればいいと考えたので申し上げた。
[西岡分科会長]
ありがとうございます。