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ニュース〜医療の今がわかる

各団体の思惑が渦巻く救急医療 ─ 7月15日の中医協

■ 「出来高病院での調査は必要ないのか」 ─ 全日病
 

[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
 (特別調査案について説明した後で)以上の調査項目についてご了承いただければ、時間もないので早速調査に入りたいと考えている。

< 調査項目 >
(1) 救急医療の診療体制について
  ① 救急医療の提供レベル等
      (1次救急/2次救急/3次救急、常時/輪番日のみ等)
  ② 救急医療の提供体制 (診療科名、夜間勤務体制等)
(2) 診療ガイドラインを考慮した診療体制確保について
  ① 治療方針の決定に当たり、診療ガイドラインを参考としている程度
  ② 患者に対する治療方針の説明等での、診療ガイドラインの利用の程度
  ③ 実際に参考としている診療ガイドライン名称
  ④ 参考としている診療ガイドラインの選択基準
  ⑤ 診療ガイドラインに沿わない診療を行う場合の、適否の判断方法
     (病院として設置する委員会での判断/複数診療科によるカンファレンスで判断/
     診療科毎のカンファレンスで判断/担当医師の判断等)
  ⑥ 患者及び職員が、診療ガイドラインを閲覧できる体制の整備状況
(3) クリニカルパス(院内)を用いた診療について
  ① 作成しているクリニカルパス(院内)の種類、病名等
  ② リニカルパスの対象となる患者数
(4) 医師、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士の人員配置(チーム医療)について
  ① 医師を含む複数職種によるカンファレンス等の開催状況
  ② 病棟に勤務している薬剤師、管理栄養士、社会福祉士の人数 (常勤換算)
  ③ 病棟に勤務している薬剤師、管理栄養士、社会福祉士について、全勤務時間のうち病棟に勤務している時間の割合

[遠藤委員長(中医協会長)]
 ありがとうございました。事務局(保険局医療課)、何か補足することはありますか。

[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
 はい。医療課企画官でございます。西岡分科会長からご説明いただいた項目は、以前、(新たな機能評価係数の候補を)A、B、Cの3つに分けた時の「A(項目)」として、DPC評価分科会で議論すべきであるとされた項目。

A項目 → DPC対象病院において評価を検討するべき項目 (DPC評価分科会で検討)
B項目 → 急性期入院医療全体として評価を検討するべき項目 (基本問題小委員会でも検討)
C項目 → 次期の診療報酬改定では、評価が困難な項目 (今回は検討せず)
 と同時に、「B(項目)」として、基本問題小委員会で平行して議論していく項目の両方にかかっている(AB共通)。そこで、こちらの基本問題小委員会にかけさせていただいた。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 ありがとうございました。(今回の調査項目は)そういう位置付けにあるということ。ただ今、(説明が)ありました調査内容について、ご意見、ご質問がありましたらご自由に。西澤委員、どうぞ。

[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 今回、(DPC評価分科会から)提案された項目について調査することはよろしいと思う。

 このB項目は基本問題小委員会でも議論すると(されている)。同時に、急性期入院医療全体として評価を検討するべき項目に入っている。そういう意味で、急性期入院医療全体として評価するのであれば、出来高病院での調査は必要ないのかということをお聞きしたい。これ(B項目)は、基本問題小委員会の問題だと思う。

B.急性期入院医療全体として評価を検討するべき項目
1. DPCデータを用いて分析が可能
・ 救急医療の評価 (AB共通)

2. DPCデータで一部分析可能または医療機関の負担が少なく速やかにデータ把握可能
・ 診療ガイドライン (AB共通)
・ 医療計画の実施状況 (AB共通)
・ 産科医療の実施状況
・ チーム医療 (AB共通)

3. その他、既存の制度との整合性等を図る必要あり
  ・ 特定機能病院または大学病院
  ・ 地域医療支援病院
  ・ 臨床研修
  ・ 医療安全
  ・ 退院支援
  ・ 地域連携(支援)
  ・ 後発医薬品の使用状況 (以上、6月24日の中医協資料を簡略化)

 ▼ 「医療計画の実施状況」は、医療計画を実施していることの公開を評価する方向で議論されている。

全日病・西澤寛俊会長0715.jpg[遠藤委員長(中医協会長)]
 今、新たな提案が出された。それは短期的なスタンスでの話だろうか。つまり今年度中に、「来年度の改定に間に合うように」というレベルの話だろうか?

 ▼ 亜急性期の病床にDPCを拡大するかどうかという議論を意識した質問だろうか。

[西澤委員(全日病会長)]
 いえ、まだそこまで具体的ではないのだが、前回(6月24日の基本問題小委員会)の整理では、「急性期入院医療全体として評価を検討するべき項目」になっているということをとらえて、どう考えるのかという質問。
 
 ▼ ここで、もう一声欲しかった。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 分かりました。基本問題小委員会でどう考えるのかということ。そのような問題提起があったが、この問題はまた議論するとして、とりあえず、調査内容についてご意見、ご質問を。(中略)

 【目次】
 P2 → 「出来高病院での調査は必要ないのか」 ─ 全日病
 P3 → 「国や都道府県の補助金等を受けている病院も多い」 ─ 日医
 P4 → 「救急患者さんに優先順位を付ける体制の調査を」 ─ 日看協

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