新型インフル エビデンスないからこそオープンに議論を
――官僚らしからぬ発言のような気もしますが、その認識は省内に共有されていますか。
とんでもない。ワクチンの被害救済に関しても私の調べた範囲のことは担当課に教えてあげたのに、とても嫌がって、技官はそれ以上は調べようとしませんでした。後で法令事務官に話したときは、関心を持っていただけたようですが。
――担当課に教えた。どういう立場なんですか?
私の今の担当職は昨年3月にできたものです。大臣に直属して、ラインの仕事からは離れ、少し長い視点から厚生労働行政に必要なことを調べ、省内外から幅広く情報を集めて、必要なことがあれば担当課と相談するというものです。ラインの官僚が忙しすぎるのは事実なので、こういう立場の人間も必要だと思います。
――この問題に関心を持ったのは、いつからで、なぜですか。
ワクチンメーカーとの交渉がどうなっているかは全然知りませんでした。7月ごろから、大勢にワクチン打つならば絶対に副作用が出るだろう、下手をすると薬害になるかもしれないということを考え、でも世界中どこの国でも同じ状況のはずだから、他の国ではどうしているんだろうかと疑問に思ったのです。
8月も、この問題をずっと調べていた感じでしょうか。ただ先ほども言いましたように、調べたものを元に、担当課の医系技官や薬系技官にきちんと調べた方がよいとアドバイスしても、やっつけ仕事しかしてこないんです。ちょっと訳して、大臣に「日本とは状況が違う」とちょっとだけレクチャーしてお終いでした。サイトのURLまで教えたのに、見向きもされませんでした。部外からアドバイスされること、外国の事情を調べなさいと言われるのを、ものすごく嫌がります。おそらく忙しいのと英語が読めないのと重要性がわからないのと、理由は色々だと思います。技官の存在意義って何なんだろうと悲しくなります。
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