中医協、今こそ大胆な改革を
【団体推薦制の廃止を徹底すべき】
また、06年の中医協改革が目指した「団体推薦制の廃止」という趣旨を徹底するため、病院団体の代表から委員を起用する方法も再考すべきだろう。中医協委員を団体中心にしてしまうと、関係団体の利害調整やパワーゲームの側面が強くなる。病院団体の委員は、会員病院の利益を最優先に考える傾向があるため、一医療人として、あるいは医療経営者の立場で発言しにくい面が見られる。
そこで、特定の団体の意向に左右されず、独自の医療経営を実践している先進的な民間病院の経営者を登用するのもいいだろう。国際的に通用する病院機能の向上を目指しているような経営者であれば望ましい。中小病院の経営者の意見も代弁してくれるだろう。
一方、急性期から在宅への橋渡しとなる回復期のリハビリや介護、福祉などの分野に明るい委員の参加もほしい。民主党の政策集を見る限り、「大病院の入院医療を優遇する」という傾向が感じられる。急性期から回復期、慢性期、在宅へのシームレスな流れをつくるという観点から、回復期や亜急性期医療の関係者が委員に加わると議論が活発化する。
同時に、病院薬剤師の意見を代弁できる委員を入れることも必要だろう。近年、チーム医療の観点から病棟薬剤師の役割が重視されている。