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ニュース〜医療の今がわかる

11月11日の中医協 (ブリーフィング)

■ 基本問題小委員会② ─ 入院料
 

 入院料に関しては、今回もある意味で、(前回の初・再診料と同様に)バクっとした「論点」ですが、さまざまな観点からのご議論がありましたので、それも含めまして次回以降に、恐らく来週以降になると思いますが、今日頂いた宿題と......。

 ▼ 厚労省は参考資料として、「人口当たり」の医療従事者数を示したが、嘉山孝正委員(山形大学医学部長)は「ベッド数当たり」のデータを示すよう求めた。

 それから、(次回は)もうちょっと「7対1」とか「10対1」とか、入院料の算定や届出の状況などのデータをお示ししながら、議論をしていただくことになるのではないかと思います。

○ 論点
1  医療機能の分化の観点から、超急性期、急性期、亜急性期、慢性期を評価するための診療報酬上の入院料の設定について、どう考えるか。
2 各病棟における患者像に合致しない患者の評価、特に、医療の必要度の低い長期入院者への評価をどう考えるか。
 ▼ 事前に用意した4項目にすれば、もう少し踏み込んだ議論ができたかもしれない。「論点」から外されたのは、▽急性期の入院医療の提供体制について、診療報酬上の評価をどう考えるか ▽急性期以降の医療提供体制について、診療報酬上の評価をどう考えるか─の2項目。「社会保障国民会議」の最終報告をベースにした「医療機能の分化」について議論を進める予定だったと考えられる。
 意見交換では、「超急性期」や「亜急性期」など医療機関の機能分化に関する議論はなく、入院基本料の引き上げをめぐる議論が中心。診療側から、「改定に間に合わないので、エイヤで決めるべき」(邉見公雄委員・全国公私病院連盟副会長)との意見が出るなど、入院基本料の全体的な底上げを求める意見で診療側は一致した。
 これに対して支払側からは、「全体の底上げは患者の負担を増やすので慎重にやらなければいけない。病院経営は入院基本料の加算もセットで成り立っているので、全体を考えてメリハリを付けるべき」(白川修二委員・健保連常務理事)、「一律とか『エイヤ』には不安がある。田舎の病院を守れるような担保が必要」(勝村久司委員・連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)など、一律の引き上げに反対する意見が出された。
 なお、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は一律の引き上げには賛成したものの、「病院だけ1点11円にするようなことはやらないほうがいい」とくぎを刺した。今後、入院基本料の引き上げをめぐる議論は、「具体的にどのような方法で引き上げるか」という点が焦点になると思われる。


 【目次】
 P1 → 基本問題小委員会① ─ 認知症対策
 P2 → 基本問題小委員会② ─ 入院料
 P3 → 基本問題小委員会③ ─ 在宅医療、訪問看護

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