財務官僚の提唱する新しい医療提供の形 ~『現場協議会より』
これはよく見る図。日本は他の国に比べて高齢化率は圧倒的に高い。これをこれからかなりの国民負担増と財政の各分野からの撤退ということが求められている中で、世界最大の超高齢社会の経営の財源を国民負担の増に求められる状況なのか。
そこで、かなり大きな発想の転換が必要で、これは亀田先生も財務省の研究会で提起されていたが、医療を負担で賄うだけではなく、コストということになると削減すべき対象だが、バリューとなると、これは人々の選択で付加価値を生み出す世界。これが人々の選択で広がっていくということになる。
ここからは私の提案。日本の民間の場合、膨大な資産ストックが財源としてある。そこから考えていくと、私はエコノミクスは「資産ストック・フロー化」戦略ではないかと思っている。
国にはお金がない。民間はフローは回っていない。しかし、民間には巨額の資産ストックが凍結状態になっている。高齢世代を中心に偏在していて、一般庶民も将来不安の中で小金を貯めている。
日本の対外純資産は2007年度末で世界最大の250兆円。日本位の経済大国としては、自らの経済的地位にふさわしい経済循環を国内で組み立てることに失敗していることの結果であると言っても良いのではないかと思う。
よく言われているが、日本の家計は老後に必要な額を相当程度上回る金融資産を保有していて、これは不確実性が大きくてなかなかフローに回っていない。そこで、いわゆる価値を創出・提示して国民の選択とそれを享受しようということで、資産をフローに引き出すということがこれからのエコノミクスではないか。
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