財務官僚の提唱する新しい医療提供の形 ~『現場協議会より』
構造改革も、今まで削減ばかりをやっていたので、これからは「創る改革」ということになる。新たな価値創出分野を創造していく。資産を保有するシニア世代にとっての大概の価値というのは健康で、健康にニーズが集中していくだろう。日本ではなぜ資産ストックがフロー化しないのかというと、やはり市場メカニズムでは処理不可能な不確実性が大きい。それから、高齢者の消費のイメージが不足している。あるいは、先進国共通に市場経済自体が壁に直面していて、フロンティアをなかなか切り開けないと、いろいろなことがある。
政府としては、出来るだけ不確実性の軽減のための持続可能な社会システムの設計が必要である。民間においても高齢世代に対して新たな消費分野を創出するイノベーションが課題である。それから、市民社会とか地域社会といったいわゆるパブリックの側でもこのパブリックの領域の拡大で、多用な価値創出のフロンティアを拓く。それをやるためにも日本の経済社会の将来展望をきちんと設計する時期に今来ているのではないかと思う。
その中でも医療システムというのはこういった課題に最も的確に応える分野なので、日本の経済戦略の柱になるだろう。
そこで、私がやっている言論NPOとかで色々議論している21世紀型の日本版ニューディールを提案する。
日本のアイデンティティはアジアの価値創出のプラットホームになるということ。超高齢社会の運営モデルというテーマを据えて、21世紀型の価値の核として健康ということを据えていけば一つの提案になる。
そこに超高齢社会という危機をチャンスに変える、日本は危機をチャンスに変えることで世界ナンバー1をこれまで築いてきた。超高齢社会という危機をチャンスに変えることで様々な価値を生んでいく。そこに、民間の資産不足を引き出すというような全体的なニューディールをこれからやってはどうか。
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