「医師適正配置委員会」が県内の医師派遣を調整-嘉山孝正氏講演
「関連病院から誰々を大学院に戻すとか、医師の出入りはオープンな場の『医師適正配置委員会』を使います。教授の意向は一切聞きません。」全国医師ユニオンが22日に開いた集会で山形の地域医療について講演した嘉山孝正氏(山形大学医学部長)は、県民代表などから成る第三者評価の機能を持った「医師適正配置委員会」で医師不足地域への派遣などを決めていると紹介した。(熊田梨恵)
山形県内の医師派遣は、県内の地域医療の向上などに取り組む「山形大蔵王協議会」(会長・嘉山孝正医学部長)内に設置された「山形大学地域医療医師適正配置委員会」が決めている。2007年に始まった国内でもめずらしい取り組みで、大学病院から関連病院などへの派遣について、外部から「不透明」と指摘されないよう二人の県民代表委員を含む15人程度で委員会を構成している。地域内で特定の診療科の医師が足りなくなったり、医師を医療機関の間で異動させる必要が出たりした場合には、委員会が決めた審査基準(次ページ)に基づいて審議される。異動が決まれば、医師が働く病院の医学部長への届け出様式も必要になる。
嘉山氏の講演の中で、「医師適正配置委員会」についての部分を紹介する。
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うちは医師の適正配置については、こういうふう(上の委員一覧)にしています。委員には県のお役人や山形新聞の会長がいます。こういうオープンの場所で、医師の関連病院から誰々を大学院に戻すとか、医師の出入りはこの委員会を使う。教授の意向は一切聞かない。教授が何に役立つかというと、専門性があるので『この産婦人科の医者はどれぐらいの能力で、この病院に行った場合には、(元々)いるのが50代、30代だからチーム医療ができる』とか『彼だったら大丈夫だよ』とか。キャラクターや技量は見ないと分かりませんから。これは専門性を持った教授にやってもらって医師の配置をすると。