11月25日の中医協 (ブリーフィング)
■ 基本問題小委員会④ ─ 歯科診療報酬(生活の質)
[保険局医療課・宮原勇治課長補佐]
「生活の質に配慮した歯科医療の充実」はやや専門的になるのですが、本文の12ページに論点を3つ掲げさせていただいております。
○ 論点(論点)1は入れ歯の治療でございますが、歯科医療機関には3つのパターンがあって、▽いわゆる歯科技工室がない医療機関 ▽技工室はあるが技工士がいない医療機関 ▽技工室も技工士も配置されている医療機関─の3つがあります。
1 有床義歯の修理について、患者の咀嚼機能の短期間での回復を図る等、食生活の質に配慮した歯科医療を充実する観点から、歯科技工士の技能を活用している歯科医療機関について診療報酬上の評価をどのように考えるか。
2 先天性無歯症等一部の先天性疾患以外の疾患において、脆弱な乳歯の早期喪失や崩壊等により小児義歯以外には咀嚼機能の改善・回復が困難な場合の小児義歯の診療報酬上の評価についてどのように考えるか。
3 脳血管障害や口腔腫瘍等による咀嚼機能障害等を有する患者に対する歯科医学的アプローチによる咀嚼機能等の改善について診療報酬上の評価をどのように考えるか。
3つ目の歯科技工士さんが配置されている医療機関は入れ歯の修理に要する日数が非常に短くなるということで、その分、患者さんの不都合の期間が短くなるということで論点として挙げました。
第2の(論点)、小児義歯ですが、子どもの入れ歯は原則禁止ですが、これは必要とする患者さんにきめ細かく適応症などを検討していくということで、(論点)2についてはおおむね意見が集約していた。
(論点)3つ目については、何らかの疾患、がんや脳血管障害等で咀嚼機能が低下している方に歯科的な入れ歯に近い装置を装着することによって、非常に噛んだり飲み込んだりする機能が向上するということが知られていて、こういった、これは1例ですが、歯科医学的なアプローチによる機能の改善について評価してはどうか。やや専門的な論点ですが挙げさせていただきました。
まず第1の論点については、2号(診療)側、渡辺(三雄)委員(日本歯科医師会常務理事)からはですね、3つのパターンの医療機関のうち2つ目の技工室はあるが歯医者さんが頑張っている所で、患者さんの求めに応じて早く努力した場合にも評価してはどうかという意見(があった)。
これに対して、1号(支払)側からは「地域差もあって一概に日数を短くするというだけの評価はちょっといかがなものか」「そもそも、そういった医療機関に着目すべきではないか」というご意見があったということです。ただ、おおむねこの論点の方向性で意見は集約されていると考えています。
【目次】
P1 → 総会 ─ 平成22年度診療報酬改定に関する意見
P2 → 基本問題小委員会① ─ 歯科診療報酬(在宅歯科医療の推進)
P3 → 基本問題小委員会② ─ 歯科診療報酬(障害者歯科医療の充実)
P4 → 基本問題小委員会③ ─ 歯科診療報酬(患者の視点に立った歯科医療)
P5 → 基本問題小委員会④ ─ 歯科診療報酬(生活の質に配慮した歯科医療の充実)
P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 歯科診療報酬(歯科固有の技術の評価)
P7 → 基本問題小委員会⑥ ─ 調剤報酬