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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼5 小野俊介・東大大学院薬学系研究科准教授(下)

 村重直子・元厚生労働省大臣室政策官と小野俊介・東大大学院薬学系研究科准教授の対談の(下)です。

小野
「話を戻して恐縮ですが、保険下での医薬品の使い方や医療現場に即した使い方を評価する目的で、私は第二総合機構(PMDA)というか、評価センターを作るのが、色々な意味でよいと思うのです。よい名前が思い浮かびませんが、第二総合機構というのが一番分かりやすいかもしれません。PMDAと厚労省が独占している判断のうち、独占しているから曖昧な闇のまま放置することが許されてきた薬の社会的な評価を、誰か別の機関や人にやってもらおうという発想です。その意味では、第二だけではなく、第三、第四と判断者が増えた方が良いですね」

村重
「たくさんの方がいいです。もう一個だけ作るというのは、また判断を独占するものができそうで凄く怖いです。PMDAの業務を民間にも開放して、みんなでやりましょうという感じじゃないですか。「機関」が独りで抱え込む必要はないので、データベースを公開して、みんなでちょっとずつやりましょうと。もし、何とかセンターを作るんであれば、そこはほとんど全員ポリティカルアポイントにするとか、今までの役所の発想と全く違う成り立ちにしないと、また同じことの繰り返しになると思います。複数で切磋琢磨して、成果を上げられなかったら、あるいは政治家の任期と共に、入れ替わっていただくようにしないと」

小野
「組織であっても、失敗したら退場させられるというプレッシャーがあってしかるべきかもしれません。現実には退場は難しいとしても」

村重
「厚労省とPMDAの持っているデータベースを公開させて、現場の医療者や患者さんが皆でチェックするという緊張感が保てるといいですね。技術的にはデータベース公開は簡単にできるんです。人の心が変わらないといけませんが」

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