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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼9 小山万里子・ポリオの会代表(上)


小山
「そうなんです。治験治験と言いますけれど、日本では今三百何十人で治験をしているそうです。海外での実績は8億人以上あります。そして発症した例はない。こんなにも積み上げたものがあるのに」

村重
「そうですよね。治験どころか、もう普通に使っているわけですからね」

小山
「日本で開発している4種混合では、欧米諸国で使われている不活化ワクチンとはウイルス株が違い安全ですと言いますけれど、ウイルスは同じものです。日本で今開発しているのはセービン株で、野生株より安全だと言いますが、野生株はウイルスの管理が厳しくなるだけで、セービン株はウイルスの管理が緩くなるのです」

村重
「たしかWHOが、アフリカでも生ワクチンによる感染が危険だから、不活化ワクチンにするように、と」

小山
「そうですね。生ワクチンの投与での効果よりも生ワクチンによる危険性が高いということで、不活化へ切り替えに方針を変えました」

村重
「すみません、自然発生より多いというデータは」

小山
「ではなくて、危険性が多いということですね。2000年に中米のハイチとかドミニカで、ワクチン由来のポリオ(cVDPV)が大流行しているのです」

村重
「不活化ワクチンが存在しないなら、これしかないと思いますけれど、存在するなら、そちらの方がいいと思うのは当然ですよね」

小山
「しかも日本での問題は、生ワクチンでさえ2回しか投与していない。生ワクチンで免疫ができるには3回から4回投与しないといけないのですよ。それを今2回ですから、20代半ばの方も免疫の獲得率はそんなによくないのです。だから日本から海外に出かける方は、もう一度ワクチンの投与を推奨されます。例えば自衛隊がイラクへ派遣された時はもう一度生ワクチンの投与を受けたようですね。日本からイギリスに行ったお子さんが、もう一度不活化ワクチンを打つよう求められます。2回、生ワクチン投与の子供ももう1回不活化ワクチン接種をうける。基本的には、生ワクチンも不活化ワクチンも3回投与で免疫は獲得されるはずですが、4回目を受けることで、ほぼ100%の免疫が獲得されます。WHOはアフリカのIPV政策では財源問題から3回を計画しています」

村重
「日本人はあまり免疫を持っていないのですね」

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