【緊急】佐藤章福島県立医大名誉教授追悼 村重直子の眼 湯地晃一郎・東大医科研助教
湯地
「その後で、まずは骨髄移植用の骨髄採取キット、骨髄採取した後に骨のかけらを除くフィルターキットがあるんですけれど、そのフィルターが輸入できなくなるという事件が発生しまして、そのフィルターを輸入継続を求める署名活動を行いました。その後、昨年2009年11月、事業仕分けをきっかけに起こった漢方薬の保険適応除外の問題に際し、保険継続のための署名運動が、日本東洋医学会や医療志民の会という市民団体が中心として行われましたが、その際の電子署名のお手伝いをしました。この際には9万5千名の電子署名が3週間で集まりました」
村重
「短期間でそんなに集まったのですね」
湯地
「他にファクス・郵送でも受け付けていて、そちらの方は83万人というもの凄い数で、それは段ボール数十箱になりまして、署名数を集計するだけでも大変でした。ところがこちらの電子署名の方は9万5千名であっても、署名は自動集計されていくため、私は何もしなくてもよく、病棟勤務の合間にiPhoneで署名数を確認することができました。この署名の際は、twitterや2ちゃんねるが引き金となってネットの世界で注目を集め、数日間で数万名の署名が集まり、参考記事のリンクが張られていた薬事日報社のサーバーが、アクセスが集中しすぎて11/27夕方にダウンするということも起こりました(漢方薬問題とは何だったのか‐「保険外し」反対運動を振り返る)。この漢方署名は、今までになかったような市民運動が起こったと見ることができると思っています」
村重
「そうですね。大きなパラダイムシフトというか、現場の国民の声を形にするツールが大きく進化した場面に立ち会ったという感じでしょうか。声なき国民の声が、大きな声で出てきやすくなったということですね」
湯地
「そうですね。それに続き、現在は子宮頸がんワクチンへの公費助成を求める署名運動のお手伝いしています。これは現在は癌研究会顧問である土屋了介・前国立がんセンター中央病院院長と女優の仁科亜季子さんのお二人が共同発起人となってされている運動でございまして、1人につき5万円の費用がかかる子宮頸がんの予防ワクチンを11歳から14歳の中学生の女児に対して全額公費で国が負担して助成して接種を進めるようにしようという運動です」