【緊急】佐藤章福島県立医大名誉教授追悼 村重直子の眼 湯地晃一郎・東大医科研助教
村重
「子宮頸がんとは、どのような病気ですか」
湯地
「日本では、20歳から30歳代のまさに子育て世代の女性に増えているがんです。年間1万5千人が発症し、3500人が亡くなっていると言われています。欧米では、子育て世代のお母さんが亡くなるということで『マザー・キラー』と呼ばれて恐れられています。子宮頸がんは、検診とワクチンの2つで予防できると言われています。ところが日本では検診率も非常に低くて、欧米では80%から90%の女性が検診を受けているのに、日本では24%弱しか受けていないという現状があり早期発見できてないということがございます。その結果として毎年3500人が命を落としているわけです。命を落とさなくても、子宮を摘出したり、付属臓器の卵巣などを摘出することによって、子供が産めなくなってしまったり、手術の後の副作用で排尿障害などの後遺症が発生してしまいます」
村重
「卵巣を摘出するとホルモンの異常も起こりますよね」
湯地
「そうですね。卵巣機能不全に伴う更年期障害のような症状が起こることもあり、その後のQOLや性生活を損う可能性もあることから、早期発見・予防が非常に重要ながんであります」
村重
「でも、なかなか恥ずかしくって検診に行かないという人もきっと多いでしょうね。1回行って済むというのではなく定期的に検診を繰り返す必要もありますしね。恥ずかしくて行かないでいるうちに手遅れになってしまう、と」
湯地
「そうですね。子宮頸がんに対する啓蒙が、海外に比べ日本では日本では遅れています。検診とワクチンで防げるんだということが知られていないことも問題です」
村重
「国民の皆さんに広く知っていただきたいですね」