率直に話し合ってみたら、役者が足りなかった
上
「要するに、根っこはお金の問題。子宮頸がんワクチンの運動がよい例だが、なぜこんなに盛り上がっているかと言えば、三原じゅん子さんや仁科亜季子さん、森昌子さんたちが登場したから。あの手法は見習うべきで、我々と患者の間に1枚入る必要があるのでないか」
宮野
「私がこの分野に入ってきたころは、情報には実体がないのに、移動させたり広めたりできるのかという議論があった。今回の場合、著名な人が入ることで、これまでは伝わらなかった情報が伝わったということなんだろう。となると、我々が科学にできていないコミュニケーションの仕組みがあることになる。それを科学的に解明して、良心的に活用するような人々というのが、医療の分野には必要なんじゃないか」
上
「税金を狙ったロビー合戦はもう無理。今年度予算では、鳩山さん、小沢さん、仙谷さんが医療費を増やすと言ったのに、増えたのはたったの200億円。市民に直接払ってもらえるように、市民がどういったことだと満足できてということの議論を始める必要がある」
中村
「子宮頸がんの例で言えば、日本は疫学が弱いから、これだけの患者さんが救われるのだから投資する価値があるという議論にならない。医療に投資の視点が必要なのに、目先のことばかりに追われている。将来の医療を見据えて、必要な分野に投資する必要がある」
上
「自治体によっては非常に潤沢なお金を持っていることがある。たとえば成田市だが、宇都宮さん」
宇都宮高明・成田市議
「発信すべきはプロアマの境なく発信すべきだろう。それから総花的に取り組むより、何か一つ絞ってやってみるというのも手。村重さんの言われた免責と無過失補償だけだったら、やる気になればできるんではないか」
上
「最後のまとめを野田先生」
野田
「まとめようもないのだが。正直、開けてみるまで、どんな方が来るか分からなかった。一回やって勝手が分かったので、あとは続けることだろう。異なるステークホルダーのいる場で、できるだけ散漫にならないように議論していきたい。それこそ次回のテーマとして免責や無過失補償をやるというのもあるかもしれない」