村重直子の眼15 長尾和宏・長尾クリニック院長(2)
村重
「一番大事なことは、国の施策に携わる人たち、政治家でも官僚でもいいんですが、国の単位で考える時に、全国一律ルールを作ってはいけないということなんですね、それをどれだけきちんと認識していただけるか。それがないと、どんどんどんどん、ああするといいかも、こうするといいかもと、色々なことをやってみるわけですけど、全国一律ルールにすると次々患者さんは不幸になっていくわけですよね。だから誰がやってもうまくいかない。全国一律ルールを作ってはいけない、国としては手を引くべきであると」
長尾
「それ書いてあります? 本に書いてあります?」
村重
「口出ししないでお金を出しなさいということを書いてあります」
長尾
「悪口が書いてあるんやと思ってました。はよ言うたらね、厚労省のこんなヒドイ人たちという感じで。だけど先生の今言われたことはすごい大事なことで、ああ最後の方に書いてありますね」
村重
「そこは政治家にとっても官僚にとっても自分たちの出世に関わる。『こういう制度を作ったぞ』ということが業績になっていく人々なので、抵抗するんですよね。手を引くんだ、制度をなくすんだという決断が彼らにできるかなんですよ」
長尾
「まさにその通りです」
村重
「彼らの存在意義に反する話なので、そこを誰かに期待してやってもらうんではなくて、国民が言っていく他ないんだと思うんですよね」