「大地震でジャーナリスト、医療者はどう動いたか―被災地からのレポート」 ②
■ 前野一雄氏(読売新聞編集委員)③
[田辺功氏(医療ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員)]
ありがとうございました。前野さん、(質問)いいですか?
[前野一雄氏(読売新聞編集委員)]
はい。
[田辺功氏(医療ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員)]
ちょっと一言だけ。「日本の医療そのものが問われている」という......、これを言葉を変えるとですね、日本の医療はどうだと、何が悪いという意味なんでしょうか? 「問われている」という言葉の中身って......。
[前野一雄氏(読売新聞編集委員)]
医療というのは、私はあくまでもドメスティックなものであっていいと思います。ということは、目の前にある患者さんにどうするか。それに対して、まず面と向かう必要がある。
それとは別な形で全体を見る、司令塔の役割をするものが必要でして、それが国であるのか地方自治体であるのか分かりませんが、今回は地方自治体、特に市町村がほとんど壊滅状態だった。
じゃ、それに代わるものは何だったのかと言ったときに、あまりにも......、それに代わるものとしての......、いわゆる有事ですね、有事への対応が全くなされていない。
メディアがその......、批判するというのはあるんですけれども、それは実態を見てむしろ......、何かやらなくちゃいけないのにやらないばかりか、かなり強制的な形で足を引っ張っている様子というのが......、先ほどもちょっと出ましたけれども、結構あるわけです。
そこに関して、少なくとも現場に即したものをするのが必要であって、それを......、平時の感覚でもって東京を中心とした所での判断というのは、こういう場合には百害あって一利ないような感じがしております。以上です。
[田辺功氏(医療ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員)]
はい、ありがとうございました。それでは、ジャーナリストの2番目として、穴澤鉄男さん。元河北新報、仙台の新聞の記者をされていて、仙台市在住でございます。被災者の立場というのもあります。
【目次】
P2 → 前野一雄氏(読売新聞編集委員)①
P3 → 同②
P4 → 同③
P5 → 穴澤鉄男氏(元河北新報記者)①
P6 → 同②
P7 → 小出重幸氏(読売新聞編集委員)①
P8 → 同②
P9 → 同③