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国内未承認の抗がん剤を迅速に保険適用へ

■ 「現在の評価基準を総会で議論して」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 ありがとうございます。この簡略化の方法について意見があるわけではございません。4ページのポンチ絵......になってもいいのかと思いますが......。

 いずれにせよ、手続きをこういうふうに簡略化して最終的には先進医療は保険外併用療養でやって、その結果で評価して、最終的に保険適応......、給付対象にするかしないかということを決めるという手続きですね。

 その、保険給付対象にするかしないかを決める最終的な「先進医療会議」のところでの評価の厳密な基準、あるいはやり方の一定のルールというのは現在、存在するのかしないのか。

 存在するんだったらどんなルールなんですか、ということは非常にこれからの議論にとって大切なことだと思うので、この際に事務局にお尋ねしたいということでございます。

[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
 はい、じゃ、事務局お願いいたします。

[保険局医療課・鈴木康裕課長]
 現在のところ、基本的な技術の有効性、安全性を中心に議論をしていただいてますし、ここですべてを決めるということではなくて、中医協本体で最終的には保険導入の可否を決めていただくということになっております。

[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
 ということは、基準その他についてはまだ......ということでしょうか?

[保険局医療課・鈴木康裕課長]
 既に総会にもお出ししていると思いますが、評価の表というのがございますので、必要があれば次回またそれを提出させていただきたいと思います。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 ありがとうございます。前......、かつて森田会長がまだ会長になられる前に一度おっしゃったことがあると思います。私もある意味賛同の意見を申し上げたのですが......。

 これからやっぱり、そういう議論は大事だと思います。先ほどおっしゃいました「有効性」というのはいいんだけれども、その前の先進医療でも嘉山委員も具体的にご質問になっていますが、既存のこれまでの方法、あるいは薬剤と比べての有意性というようなことも含めた議論というものが一定のルールの下で正確にやる必要があるんではないか思いますので......。

 それはまた総会に出てくれば、ということかもしれませんけれども、そもそも在るべき現在の評価基準でのやり方でいいのかどうかということそのものも個々の事例だけではなくて、一度総会で議論していただく方がいいのではないのかなと思います。

 ▼ ドラッグ・ラグに関する森田会長の過去の発言は、2010年8月25日の中医協議事録を参照。「本来、1号側の委員がおっしゃるべきことかもしれませんが」を検索欄に入れると森田会長の発言部分が見つかる。さらに踏み込んだ発言は、11月10日の議事録に残っている。発言部分は、「保険財政に直接かかわる話」で検索すると見つかる。安達委員と同じ立場かどうか、文脈から判断していただきたい。
 なお、2010年度改定を目前に控えた09年11月25日、診療報酬の引き上げをめぐり1号(支払)側と2号(診療)側が激しくぶつかった場面で、公益委員として次のように述べている(同日の厚労省議事録より抜粋)。
 「公益委員の立場ですので、それをわきまえて発言させていただきたいと思います。先ほど牛丸委員の御発言に対していろいろありましたけれども、私が中医協の発信するメッセージとして重要な意味を持つと思っておりますのは、今までのお話ですと、1号側はこれ以上ふやしたくないと、そして2号側は足りないと。したがって、公費でもって埋めるべきだという御主張だったと思いますけれども、それは確かにここで非常に合議を得やすいところだと思うし、それについての妥当性についてとやかく申し上げるつもりはございませんけれども、これを外にメッセージとして発信した時、今の財政状況の中で限られた財源の取り合いになっているわけです。
 いろいろなところが公費で最後は面倒みてくれと言っておりますし、私も大学におりますけれども、大学のほうも、教育費は運営費交付金を減らすな、ふやせ、科学研究費をふやせという主張をしておりますし、公共事業関係にしても、建設業を支えるためにはそれが必要だと。刷新会議におきましては、そういうところから、無駄があるから、無駄を減らしてそれを捻出しようといっていろいろな事項に上げたら、自分たちが必要だと思っているところが無駄だと指摘されて反発が起こっているところだと思います。
 何を申し上げたいかと言いますと、そうした中で医療費が本当に必要であるということであるならば、そうしたほかの主張に対して対抗できるだけのきちっとした理論武装をして、メッセージを発信することが重要ではないか。牛丸委員の御意見、先ほどちょっとお話した時もそういう趣旨でございますので、財政事情を考慮してどうこうというよりも、そうした中で説得力ある形でメッセージを出しませんと、ほかからと同じように、みんな公費につけを回すというふうなメッセージとして受け取られますと、せっかくのここでの議論が無になる可能性もあると、それを申し上げたかったということです」

[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
 はい、それは一応承っておくということでよろしゅうございますね? はい。他にいかがでしょうか。

 (花井委員が挙手)

 特に......、ご質問等もないようでございましたら、本件......、あ、失礼いたしました。花井委員。
 

【目次】
 P1 → 厚労省課長の説明①
 P2 → 厚労省課長の説明②
 P3 → 厚労省課長の説明③
 P4 → 「非常に進歩したと評価したい」 ─ 嘉山委員
 P5 → 「審査の効率化、重点化はいい」 ─ 小林委員
 P6 → 「現在の評価基準を総会で議論して」 ─ 安達委員
 P7 → 「公正性を担保するような制度にして」 ─ 花井委員
 P8 → 「お金を払えば受けられるようになるのか」 ─ 西村委員


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