地域完結型医療の実現を目指して
■ 熊本市内の連携医療の特徴
【済生会熊本病院院長】
熊本市内はいま一般的な噂では、最も連携医療の進んだ先進地域だと言われていますが、何か連携医療に特徴があるのだろうかと考えてみますと、基幹病院というか、中核病院ごとに連携のネットワークを形成したということです。
ある1カ所に巨大なセンターがあって、そこを中心にだんだん枝分かれしていくというパターンではなくて、それぞれの中核病院がそれぞれの役割として連携医療をやってネットワークを形成してきていることが特徴です。
病診連携については、いちばん早いところでは平成4年から始めていますので、病診連携からいまは病病連携。といいますのは、中核病院というのはすべて急性期医療を提供している病院なので、病病連携のほうがいまはウエイトが高くなっています。
特に亜急性期病床を持っている病院や回復期リハビリの病院とのネットワークが年々強固になってきているように思います。これは1つには、いわゆる高齢者社会ということが関係していると思います。
さらに最近では施設間の連携ではなくて、職種間の連携がこういう連携活動を通じて生まれてきた。特に看護職とリハビリ関係の職種の人たちが、今度は自分たちの職種間の連携をやって、より情報を精緻化して、それを患者のために役立てたいという形でいま動き始めています。
いま熊本はクリティカルパス、クリニカルパスに力を入れている2つの大きな病院がありますので、そこを中心に地域連携パスに対して、ネットワークを通じて共同作成して、さらにそれを活性化しているという特徴があるかと思います。
【目次】
P2 → 熊本市内の連携医療の特徴
P3 → 熊本市内の病院環境
P4 → 入院患者数比較
P5 → 「自己完結医療」から「地域完結医療」へ
P6 → 連携パスの動向
P7 → 今後の病診(病)連携の課題
P8 → 連携ネットワークの質の管理
P9 → 連携医療とは
P10 → 今後の対策
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