地域完結型医療の実現を目指して
■ 連携ネットワークの質の管理
【済生会熊本病院院長】
ネットワークの質の管理で、どのようなことに気を付けてやっていこうかということで挙げたのですが、何といっても連携する上では情報の共有化ができなければうまくいかないということで、手段としては連携パス、診療情報提供書の充実。
「情報共有紙」というのは各医療機関の情報、何ができて何ができないということまではっきり書いていただく。そういうものを集めて、自分の医療施設の情報を提供した先生方には、それを全部配って使っていただく。
その中には、例えば私の病院は連携の基幹病院になりますので、急性期の病院から患者をお願いする場合に「受けられますか、どうですか」ということで、例えば「レスピレーターの付いた患者は受けていただけますか」とか「心臓リハビリは大丈夫ですか」とかいろいろなアンケート結果を出して、それに返答していただき、自分たちでできるところとできないところをはっきりする。
それはいまのところは2百何十の医療機関が情報を開示してくださっていますので、それを使う。
いまなかなかうまくいかないのが診診連携だと言われています。その中に「自分の病院の情報を出してもよろしい」と言われた医療機関の情報はそれに載っていますから、それを利用してやっていくと。
一般的な病院の概要のほかに、自分たちの病院の特徴や、細かいことになりますと、個室代とか、その辺まできちっと書いてあります。そういったものを作って、なるべく患者に情報を提供しやすい形を採っています。
連携データは、いまは2年に1回ぐらい患者と、患者を引き受けてくれた連携先の病院のアンケート調査をやっていますが、そういった分析をして、それを病診連携会議では使っております。これはあくまでも私ども関連のネットワークです。
例えば、国立医療センターのネットワークの中に、この情報は今のところは流れていきません。この辺りのことを、今度は情報が共有できるように考えていかなければいけないのではないかと考えています。
【目次】
P2 → 熊本市内の連携医療の特徴
P3 → 熊本市内の病院環境
P4 → 入院患者数比較
P5 → 「自己完結医療」から「地域完結医療」へ
P6 → 連携パスの動向
P7 → 今後の病診(病)連携の課題
P8 → 連携ネットワークの質の管理
P9 → 連携医療とは
P10 → 今後の対策
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