地域完結型医療の実現を目指して
■ 連携医療とは
【済生会熊本病院院長】
連携医療と言いますが、私どもが始めたときに、あくまでも患者本位にやるのだということです。もう1つは「コミュニティ」と書きましたが、狭い範囲です。その「コミュニティの健康を守るという考え方」で、それぞれの医療施設が連携医療に参加しましょうということです。
これまではどちらかというと、行政は熊本市の場合はほとんど参加していません。
それぞれの病院の自立的な活動で起こって、結果としては何となくうまくいっているのですが、本当にうまくいっているのか、その結果がどうなのかということは、第五次医療計画がありますので、そういった中で1つの仕組みを作っていただければ、今やっていることがもっときちんとした評価ができるのではなかろうかと思います。
現在のDPCで、ほとんどの急性期病院は入ってくると思います。いまはDPCということでやっていますが、いずれ診療の永続性を考えると、連携パスになります。そうなると、これは疾病管理の世界ですので、それをどうやるか。どのようなものを作り上げていくかということです。
私がいちばん大切だと思っているのは、機能分化と役割分担を徹底させることです。連携医療をやるためには、まず病気の起こり始めを引き受ける、いわゆる急性期病院なり救急病院なりの役割を、徹底して急性期に特化しないと、そこが固まらないと、一連の在宅までの流れはできにくいのではないかと思います。
あとは手段です。ITの利用ですが、これは経費がかかりますので、まだ私どもも紙ベースでしかやれていません。それと連携をやっているのですが、本当に質は大丈夫なのだろうなというマネージメントが必要ではなかろうかと思います。
そうすることによって地域医療の質が向上して、患者の満足につながれば、連権医療はこれからますます押し進めていったらいいのではないかと考えております。
【目次】
P2 → 熊本市内の連携医療の特徴
P3 → 熊本市内の病院環境
P4 → 入院患者数比較
P5 → 「自己完結医療」から「地域完結医療」へ
P6 → 連携パスの動向
P7 → 今後の病診(病)連携の課題
P8 → 連携ネットワークの質の管理
P9 → 連携医療とは
P10 → 今後の対策
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