医師密度、研修、高度技術など重視 ─ DPC中間報告案
「高度な医療技術の実施、重症患者に対する診療といった役割・機能と医師密度には一定の相関がある」─。厚生労働省は、医師が多い大病院に高い診療報酬を設定しようとしているが、その理由付けに苦慮している。(新井裕充)
厚労省は8月31日の中医協・DPC評価分科会で「DPC制度に係るこれまでの検討状況について(中間報告案)」を示し、大筋で了承された。
報告案の中で厚労省は、「医師に対する研修機能、診療密度、医師密度との間には相互に有意な正の相関がある」、「手術の難易度、診療密度、医師密度との間に強い相関関係がある」、「患者の重症度、診療密度、医師密度との間に一定の関係がある場合がある」とした。
その上で、「医師密度・診療密度が一定以上の医療機関について、同時にこれらの医師密度や診療密度が必要とされると考えられる医師に対する研修、高度な医療技術の実施、重症患者に対する診療といった役割や機能が実績として認められるものを1つの医療機関群として設定することが適切と考えられる」と提案、DPC病院を「医師密度」などの基準で2~3の群に分ける方針が承認された。
今後、DPC病院が高い診療報酬を得るためのキーワードとして、「医師密度」「診療密度」「医師研修」「高度な医療技術」「重症患者に対する診療」─の5つが考えられるが、このうち「重症患者に対する診療」を「医師密度」と関連付ける厚労省の分析に対しては批判的な意見が出ている。
報告案について、詳しくは7ページを参照。同日の資料はこちら。
【目次】
P2 → 委員の大幅な変更
P3 → 分科会長代理に松田委員
P4 → DPC制度への参加について(案)
P5 → データ提出係数の運用について(案)
P6 → 1月21日の中医協で了承された事項
P7 → 中医協総会への中間報告案
P8 → 「数学的に正しいんですか?」 ─ 美原委員
P9 → 「統計学的な検定を行っていない」 ─ 厚労省
P10 → 「単純なミスでございます」 ─ 厚労省
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