平成24年改定に向けたDPC制度に係る今後の対応 (下)
■ 「中小病院より大病院に少し手厚く」 ─ 小山分科会長
[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
はい、大変......、鈴木委員からのご指摘で、「医師密度」に関しては確かにそのようなお話があります。この経緯はですね、この経緯に至るまでにいろんな議論をした結果、このようになりました。
結論から申しますと、(資料)「3─2」の3ページの下の所に書いてあります通りですので......
基本的には「医師密度」が高いというだけでは、先ほど話した通り、7対1看護の時のような医師の争奪戦のようなことが起きることを危惧いたしまして、そうではなくって、その医療機関が果たしている機能や役割についても整理した上で設定する必要があるだろう。
なおかつ、ここら辺のデータですね、DPCでは集めることができるわけです。
その点線で囲まれたBの所に書いてありますので、「一定の機能や実績の要件」ということでもって、医師研修が実際に行われているということ、あるいは高度な医療技術が実施されているということ、あるいは重症患者に対して対応しているというような要件を付けまして、この実績に基づいて分類をしていこうということですので、ただ単に医師を集めれば事足れりということではないということです。
ただ、えーと......、鈴木委員がご指摘になった通り、これがずーっと続いていくとどうなるかというと、確かにただ集めればいいという話になってくると思いますけれども、それにはまだあと5年とか10年とか、かかってくると思いますので、その時点でまたこのDPC制度そのものの、続けるかどうかという議論になってきますので、とりあえず現在のところでブラッシュアップしていくのが、この方法がいいんじゃないかと考えております。
それから、大病院が有利で中小病院が......というお話が出ておりますけれども、ご存知のように大病院、比較的大きな病院というのは非採算性の部門と言われています。この会でも出ております、産科とか小児科とか救急とか、あるいは外科とかですね、採算の悪いものを比較的大きな病院が一杯やっている。
その評価をしなければ病院が成り行きにならないということでもって、これを評価しましたので多少、今回のあれは......、大規模病院なんですけれども、採算性の悪い所に目を付けた結果、まあ、あの......、非常に効率よく運営している中小病院よりも大規模病院のほうが少し手厚くなったかと思いますけれども......
現状を考えますと、まだまだ大型病院は十分に運営できるような評価ができているとは考えておりませんので......。まあ、そうは申しましても、このDPC評価分科会の中では中小規模の病院の代表が何人か入っておりまして、その先生方も加わりまして、その先生方のご意見を聴きながらやっておりますので、あまり偏ったような結論は出さない方向性でやっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。
[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
はい、鈴木委員、よろしいでしょうか?
[鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)]
いや、ちょっとあの......、よく理解できない点が多いので......、(小声で)お話......、説明は聴きましたので、それで了解したというふうに......。
[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
では他にいかがでしょうか。
(西澤委員が挙手)
はい、西澤委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「第2の7対1看護になりかねない」 ─ 鈴木委員
P3 → 「私どもとしては少し認識が違う」 ─ 厚労省
P4 → 「中小病院より大病院に少し手厚く」 ─ 小山分科会長
P5 → 「分かりやすく説明いただけないかな」 ─ 西澤委員
P6 → 「補足として、いくつかご説明を」 ─ 厚労省
P7 → 「私はこの考え方は支持しております」 ─ 白川委員
P8 → 「基本的にはこの考え方で問題ない」 ─ 嘉山委員
P9 → 「地域医療が本当に崩壊しかねない」 ─ 鈴木委員