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ニュース〜医療の今がわかる

平成24年改定に向けたDPC制度に係る今後の対応 (下)

■ 「基本的にはこの考え方で問題ない」 ─ 嘉山委員
 

[嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長、山形大医学部大学院教授)]
 基本的にはこの考え方で問題ないと思いますが......。

 まず、白川先生がおっしゃったような方向もやはり探っていただきたい。つまり、医師の数とか、ということではなくて、やはり行っている診療内容で評価できるようなものをつくれればいいんですが、なかなか難しいと思いますから......。

 現時点では、大学病院の本院を1つの群にして「基礎係数」を......、非常にいいことなんですが、ただ、(小山)先生もご存知のように、大学病院の本院のですね、係数が10%ぐらい、高い所と低い所と差がありますので、それをどうやって調整するかということになると、まあ......。

 この(資料)「総─3─2」を見てみますと、「機能評価(係数)Ⅱ」で調整するということなので、併せてですね、この「機能評価係数Ⅱ」というのを議論していただけたらと思います。

 あるいは先生方の考え方をですね、提示していただかないと、中医協としては何とも言えない。それが1点です。

 それから2番目はですね、「大学病院本院以外の高診療密度病院」の規定をどうするか、これは非常に難しいと思います。例えば、大学病院の本院を別に私言っちゃいましたけど......、「分けて当然だ」って、ちょっと乱暴じゃないかと思われる方もいらっしゃるかと思うんですが......

 肝臓移植はですね、まだ大学病院の本院以外ではされていません、1つも。ですから、例えば都内でも有名な虎の門(病院)等ありますけれども、そういうのはされてないんですね。

 ですから、大学はやっぱり別格だと思うんです。地方の大学病院でも肝臓移植はやっていますので、ですからこれは僕はもう当然だと思っています。

 ただし、「大学病院本院以外の高診療密度病院」を医師数だけでやるのか、それとも......、先生は「医師密度」と「診療密度」が一致してるよというのが何度か例を出されているのであれば、反対にですよ、「医師密度」よりは「診療密度」でやったほうがいいのではないかというふうに思うんですが、その辺をおききしたいと思います。

 それからあと、ちょっと......、そんなに大変な間違いではないと思うんですが、例として出ている動脈瘤の流入血管をクリッピングするっていうのは......

 これをやると患者さん死にますから......、こういうのを出さないほうがいいと思うんですよ。(委員ら、笑い)

 ▼ 場が一気に和んでいる......。

 動脈瘤へのクリッピングであって、動脈瘤の流入血管を潰しちゃったら、これ、死んじゃうんですよ。こういうのを例に出すっていうのは、ちょっといかがなものかと思いますので、少し付け加えなんですけれども、ちょっとどうなのかなと。

 2番目の問題は特に大事なんですけれども、大学病院本院以外の高診療密度病院の規定を今後......、ちょっと、私としては鈴木先生と同じように、「医師密度」ではなくて「診療密度」でおやりになったほうがいいのではないかと考えます。

 あと、先生おっしゃったように、「一定の(機能や実績の要件)」......、3ページのBですね。Bの医師研修の実施、「具体的な要件は今後検討」とありますので、「今後検討」の内容をですね、中医協にも提示していただいて、それで最終的に判断していきたいと思います。

[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
 ありがとうございました。それでは、分科会長お願いいたします。

[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 まず一番目の、「10%ぐらい大学病院でも差があるけどどうするんだ」ということですけれども、これはもう最初から議論になっておりまして、これはあくまでも「基礎係数」ですので、評価できる機能はⅡでやろうということで、Ⅰ、あるいはⅡの所でもって検討させていただくという形で今進んでおります。

 Ⅱの議論はですね、まだ「基礎係数」の所がまだ結論が出ておりませんので、それとちょっと平行しながら検討していきたいと思います。

 それから2番のですね、2つ目のご質問の「医師密度」の定義ですね、これについてもこれに書いてある通り、もう少し議論を進めさせていただきながら、その状況をこちらの会に報告しながらやっていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それから3番目、「診療密度」と「医師密度」ということなんですけれども、実は資料「3─3」の10ページにその資料が出ているんですけれども......

 「診療密度」と「医師密度」についての相関係数をとってみますと、このような結果になりましたので、「医師密度」でいいんじゃないの、ということで考えていることを追加させていただきます。私からは以上ですけども、事務局からもしありましたらお願いします。

[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
 事務局から補足はございますか?

[厚労省保険局医療課・迫井正深企画官]
 特段ございませんけれども、ご指摘の通り、これを今後具体化をするときに検討いただいて、もう一度......

スケジュール-002.jpg

 正確に申しますと年内にもう2回ほど、総会のほうにご報告いただいてご議論いただきたいと思っております。事務局からは以上です。

 ▼ もうほとんど結論は出ているが、鈴木委員が挙手。
 

【目次】
 P2 → 「第2の7対1看護になりかねない」 ─ 鈴木委員
 P3 → 「私どもとしては少し認識が違う」 ─ 厚労省
 P4 → 「中小病院より大病院に少し手厚く」 ─ 小山分科会長
 P5 → 「分かりやすく説明いただけないかな」 ─ 西澤委員
 P6 → 「補足として、いくつかご説明を」 ─ 厚労省
 P7 → 「私はこの考え方は支持しております」 ─ 白川委員
 P8 → 「基本的にはこの考え方で問題ない」 ─ 嘉山委員
 P9 → 「地域医療が本当に崩壊しかねない」 ─ 鈴木委員

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