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中医協委員、大阪で現場医師らと診療報酬を議論


⑦有床診療所「フットワーク軽くコストパフォーマンスもよい」
フォーラム中.JPG司会
はい、ありがとうございます。私も在宅医療に携わってますけど、1馬力で24時間365日は一般的にはきつい。後方ベッドとの連携は大事じゃないかということで、在宅原理主義と言われるのですが、それが見直される時期に来ているのではないかと思います。その中で有床診療所がありますよね。そこの活用についての質問です。広島県医師会有床診療所部会長の森康先生にお越しいただいています。よろしくお願いいたします。



広島から参りました、整形外科を開業しております森でございます。今日は先生方からのご講演を拝聴しておりまして、たびたび有床診療所という言葉が出てまいりまして、非常に心強く思っております。また前回の診療報酬改定ではささやかながらアップしていただいたことを感謝申し上げます。アップ率もさることながら、金額はどうだったかといいますと、月に数万円のアップでした。5万円前後しか上がっておりません。これでは有床診療所の維持はできない。現在毎月病床数が500ずつ減っております。医療機関にすれば、年間で500~1000の医療機関が閉鎖し、有床診療所から無床診療所へと移っております。こういうふうにして有効な資源である有床診療所が活用されない。こういうところに問題があるのでまず論より証拠を示していただかなければいけない。これは入院基本料を上げて頂くということにほかなりません。

じゃあなぜ入院基本料アップの声が出てこないかというと医療経済実態調査というのがありますが、あれは病院と診療所を別個に調査しておりますが有床診療所を目的にした調査ではないんですね。無床診療所の中でたまたま入ってきた有床診療所を統計的に処理したものに過ぎない。しかもそれを診療科別に分けると一つの医療機関の数はとても統計的に処理するような数字ではないんです。それをいかにも統計の専門家の方が処理されますと、それが実体として健保連にもそういう聞こえ方しかしない。誠に残念でなりません。有床診療所というものは病院と診療所の連携には絶対必要ですし、また今後医療から介護への橋渡しとしても絶対必要になります。現在有床診療所に入院する患者の質も高齢化しております。したがって医療従事者の数も増やさなければいけない。これが医療安全にとって必要なことでありますし、これからも有床診療所が永続的に維持されるためには絶対に必要なことでありますので、どうか入院基本料の引き上げをよろしくお願いたしたいと思います。


*さあ日本医師会(鈴木氏)vs京都府医師会(安達氏)、有床診療所の議論が正念場だ。


司会
はいありがとうございます。この質問は私も非常に重要だと思いますが、安達先生よろしくお願いいたします。


安達
日本医師会でも有床診療所の検討委員会を作っておりますので、鈴木先生からも補足していただくことになるかもしれません。今私は、日本医師会社会保険診療報酬検討委員会の副委員長でございます。今期、過去の2期委員長を務めてまいりました。それで各診療科からの要望書を上げてとりまとめるというのが委員会の仕事の一つでございます。いつも有床診療所の代表の先生からは今のご要望と同じご要望を頂きました。私が委員長としてその先生にアドバイスを申し上げたのは「ただ苦しいから上げろと言われればどこも苦しい。そうじゃないんじゃないでしょうか」と。有床診療所が今日的に持つ意味が大きく出てきたんではないでしょうか。それが先生仰ったことです。在宅医療の後方ベッドであり、そのベッドが有床診療所の機能を超えたさらに高次の急性期の必要なものは別にして在宅医療でしばしば起こるのは、在宅だけで24時間監視はできないんだけども入院してしばらくしてよくなれば帰ってこれるという機能が有床診療所にはあるのですから、その機能を前面に押し出した主張をしてくださいと。同じ基本料引上げであってもそう書いてくださいと。そういうことで申し訳ないですけど、委員長の立場としては有床診療所の入院基本料の引き上げをそのままにして、その理由のところは例えばこんな内容でどうでございますか、という私の文案を見て頂きました。それで結構ですよということでそうなっております。

つまり有床診療所には確かに今日的にそういう意味がある。ですからそこのところをまとめて有床診療所全体として強く主張していただくということが一番大事です。そして何がやれるかということを提示していただくのも大事です。今まで有床診療所の先生方があまり強いパッケージがなくて個別に声をあげられていたような部分もあると思います。もちろん神奈川の内藤(哲夫)先生(全国有床診療所連絡協議会会長)からもご熱心にご意見を頂きましたが、そういう今の医療に対する有床診療所の重要性をきちっとまとめて整理して、体制を整えて主張していただく。そうすれば基本料を上げていくという方向は私は間違いなくあるのだろうというふうに考えています。他にもありますけども、今日はそういうことだけを申し上げておきます。

*有床診療所団体からの要望の草稿を自ら手伝って書き、アドバイスまでもしているというアピールか。「間違いなくある」という言葉も力強い。

司会
ありがとうございます。はい、鈴木先生。


鈴木
安達先生が言っていただいたことその通りだと思います。日本医師会としても有床診療所が非常に見直されてきているんですね。この超高齢化社会の中で、ベッドを持つフットワークの軽い仕組みということで、これは中小病院と通じることもあって、これはやはりあの時代の要求しているものに非常に合っているんですね。これを主張していただきたいと思います。外国ではむしろ有床診療所的なもの、大病院と在宅を繋ぐものを新たに作ろうとしているんですね。日本には既存に有床診療所や中小病院があるわけですから、私はこれを活用しない手はないと。特に有床診療所の場合は一人や二人の先生が非常に献身的に診ておられるので、非常にコストパフォーマンス的にも優れてるわけですよね。これをやはりもっとあの非常に強く主張されてですね、今日医の中の委員会でもそういった方向で話が進んでいるかと思いますけど、自信を持って主張されていけば、非常にこれはあの超高齢社会に不可欠なものとして認められる、すなわち評価されていくということを確信しております。

*発言内容自体はごもっともと思うが、開業医たちにとっては中小病院と並べられたところでトーンダウンしてしまうかもしれないのではないか。

司会
ありがとうございます。森先生、よろしいですか?



医療経済実態調査のことなんですが、あれは毎回2月ごろに見直しの委員会が開かれますよね。あの中で有床診療所の実態を見る方法の、調査方法のここを見直した方がいいんじゃないかという話が出ないんですよね。議事録を読んでいますと。したがって医療経済実態調査の結果で誤った印象を世の中に植え付けるよりも、やはり日医が主導して有床診療所の実態が出るような実態調査にしていただくよう、お願いいたします。


安達
その点をお答えするのを忘れていました。申し訳ございません。さっき実は講演の中で触れるはずだったんですが、受診時定額負担に重きを置いたので、スライドだけをお示ししました。実調のやりかたについて大きな変更を今回は加えております。単月調査だけでなく通年調査ということも日医の主張でした、これも入りました。先生仰る有床診療所の分は別になっていないので、これはやればできます。簡単ですよね、診療所部分のうち、ベッドのあるものというところはちゃんと届出項目があるわけですから、そこだけ拾えばいいわけです。それはやります。問題は解析方法でありまして、従来マスコミの新聞一面等に賑わわすのは、平均値なんです。基本的には。簡単に言うと、ものすごい収益の高い医療機関が入れば、あれだけの少ない数ですから、平均値はぽんと上がるんです。それだけじゃなくてヒストグラムを使い、中間値も使い、というようなもっと精細な分析方法を求めました。それも今回実施されます。ということであとは有床診の分を分別して計算すれば後は出てくるということだから、可能であるし、より実態に即した精緻なものになるはずだろうと、今回は前回よりは少なくとも、と思っております。

*アピール大。

司会
ありがとうございます。ぜひみんなで声を上げて中医協の先生にもご協力いただいて、充実させていきたいと思います。もう一点だけ、後方ベッドとして日本慢性期医療協会の武久(洋三)先生がいつも言われる療養病床の活用。あるいは在宅療養支援病院というのが2~300できたということなんですけど、鈴木先生、これは後方ベッドとしてちゃんと機能していますでしょうか。


鈴木
在宅療養支援病院も前回の改定で要件が緩和されまして、それまで11病院しかなかったのに、400以上に増えましたですね。在宅療養支援診療所も12000以上あるのですが、課題としては在宅看取りが一人以上になっているところが在宅療養支援診療所の半分ぐらい。在宅療養支援病院では400以上あっても30ぐらいしかないんです。だからその辺が機能的にもですね、十分じゃないのかなと。これからの課題なので改定に向けてその辺をどう実際に機能していただくか、仕組みとしてどうしていくかということを話し合っていきたいと思います。

*両者の様子が現場の医師に印象付けられていった頃だったと感じる。鈴木氏はいいことを発言していても言葉が飛んだり、聞きづらかったりするため、損をしているように感じられた。

司会
ありがとうございます。まだまだ議論のあるところですが、この質問はここで終了します。

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