中村利仁の社会の中の医療

JMM読者投稿:「医療格差」の解決に必要な考え方とは?

投稿者: 中村利仁 | 投稿日時: 2007年06月29日 18:45

====質問:村上龍============================================================

Q:816
 参院選の各党のマニュフェストには、「医療格差」への取り組みが盛り込まれるようです。医師・看護師の不足、公立病院の閉鎖など医療における地域格差の解決には、どのような考え方が必要なのでしょうか。

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■ 読者投稿編:「医療格差」の解決に必要な考え方とは?

 ■ 読者投稿:中村利仁

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JMM読者投稿「医療の産業化」について

投稿者: 中村利仁 | 投稿日時: 2006年10月13日 19:25

====質問:村上龍============================================================

Q:732
 10月1日付の読売新聞は、ある東大教授の「医療の産業化」をテーマにした小論を掲載していました。財政負担が軽く、かつ経済格差を生じない医療の産業化というものがこの社会に存在するのでしょうか?

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 ■読者投稿:中村利仁

 以下、医療政策・医療経済の研究者の間では常識に類するところからお話をさせていただきます。

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助産師は足りているか?

投稿者: 中村利仁 | 投稿日時: 2006年08月31日 12:47

 まず、人口動態統計から、出生場所の推移をグラフ化した。

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医療サービスにとって医療費とは何か

投稿者: 中村利仁 | 投稿日時: 2006年07月28日 18:43

 サービス業の特徴には、共通して、非貯蔵性、不可逆性などが上げられます。医療サービスも例外ではありません。

 医療サービスは医療者と患者さんとの間で生産されると同時に消費されます。予めヒマなときにサービスを作って貯めておくことはできません。また、一度提供した医療サービスを、患者さんから取り返すことも不可能です。景気循環の元となると言われる不良在庫は、サービス業の世界では存在しえないのです。

 であれば、一国の経済のようにある程度閉鎖された系では、医療に限らず、充分なサービス提供者がいて、サービスを必要とする人がいるのであれば、外部不経済のない限り、これを制限することには経済的合理性がありません。そして、医療サービスに希少資源が移動しても、ほとんど外部不経済は生じないことが予想できます。

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医療は水に浮かぶ船か?

投稿者: 中村利仁 | 投稿日時: 2006年07月10日 15:21

 こんにちは。
 外科医出身の研究者の中村です。医療政策、医療経済、医業経営を専攻しています。

 最近、医療というのは社会という水に浮かぶ船のようなものかと考えています。

 いくらよい医療体制を作ろうと思っても、水に船を浮かべる余力がなければうまく行きません。あまりに海が荒れてしまえば、船は木の葉の如く沈んでいきます。また、医療という船がいくら良いものでも、神ならぬ身の人間が作り出す以上、どこか欠けたものとなることは避けられません。沈まぬ船は望むべくもありませんから、これをどう上手に漕いでいくかが国民や政策立案者に問われています。

 船に乗り込んだ医者、看護師をはじめとした医療者、事務員や経営者、あるいは政治家や官僚にとっては、効率のためにはできるだけ多くの患者さんを運びたいところですが、あまりに積みすぎれば船は容易にひっくり返ることとなります。天候や海の荒れ具合を見ながら、適切な喫水を塩梅して船出する必要があります。

 自分の仕事は、船の周りをぐるぐると回りながら、船が沈みかけていないか、あるいはあまりにも積み荷が少なくないかを観察するようなものかも知れません。

 よろしくお願いします。

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