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ニュース〜医療の今がわかる

福島県立大野病院事件第四回公判

 検察側の再尋問。

  検事 県の事故調査委員会設置の経緯について知っていますか。
  院長 大野病院には産婦人科専門医が1人しかおらず、結果の重大性に鑑みてきちんと調査する必要があると私自身が考え、産婦人科専門医による調査委員会を県にぜひ作ってほしいとお願いしたものです。ただしメンバーなどは県が選んだので、私は関与していません。
  検事 院内検討委員会の結論をそのまま受け入れる気はなかったのでしょうか。何か疑念があったということでしょうか。
  院長 人が1人亡くなっているわけですから、もっと専門的な立場から調べてほしいと考えたまでです。
  検事 先ほど弁護側の尋問で出てきた手術当日のメモに関してですが、胎盤を剥離することで止血されるとの説明を聞いたのですね。
  院長 明確な記憶にはありませんが、メモにあったのなら出たのだろうと思います。
  検事 メモを取ったのは1回だけでしょうか。
  院長 何かあるたびに、その都度メモを取っておりました。
  検事 メモに関して福島地検いわき支部での事情聴取の際に説明していますね。
  院長 私が説明文をつけて提出しました。
  検事 メモを見れば、当日どんな説明があったか思い出せますか。
  院長 だと思います。
  検事 供述調書に添付されたメモを示したいと思います。
  弁護側 供述調書は不同意です。
  検事 メモを示すだけです。
  裁判長 メモを示すだけなら、よろしいですね。
  検事 このメモに見覚えがありますか。
  院長 これは私の字ですし、私が書いたものです。
  検事 12月17日のメモには、先ほど弁護側が述べたような記載が見当たらないのですが、どこにそのような記述があるか示していただけないでしょうか。

 弁護人たちが慌てて資料をひっくり返し始める。

  院長 (しばらく指を添えながらメモを追ったあと)そのメモにはありません。

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