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ニュース〜医療の今がわかる

医道審議会医師臨床研修部会


富永
「大学によっては都道府県の枠を超えて派遣している。こういう都道府県ごとの設定でよいのか」

河野
「その通り。東京の大学には全国に派遣しているところもある。それから人口だけ出ているけれど、年齢構成によって医療需要は全然違う。先ほどの山下先生のご意見大事だが、社会状況を踏まえて考えると、今研修医が行ってない地域の病院で研修するのが悪いかというとそんなことはないのだから、矛盾してない。そこが社会的に十分に理解されてないんでないか。厚労省もそこをきちんとメッセージを出す必要があるだろう」

山下
「大学に人を集めるためにやっているのではない。質の高い医師を送り出すために卒後一貫したシステムで指導することが大切なんであって、ファーストプライオリティではないということだ。頑張ってやろうとしている地域や病院が、こういう数字で切られても納得できない。議論の順番が逆だ。質の議論をする前に定員を出されても判断のしようがない」

慌てて杉野
「資料の出し方については反省している。検討会のとりまとめも、あくまでも教育論から始まって、そのうえで研修医といえども雇用契約に基づいて給与の支払いを受けているのだから、どこでもよいというわけではなかろうということ。本来であれば、受け入れ病院のキャパシティに応じて積み上げられるべきなんだろうが現在でも受け入れ病院には条件が設けられていて、それをクリアしていることになっている。加えて何を強化すべきだろうかということ。今回は変更される分が前面に出てしまったので全体像が分かりづらくなった。出し方は反省している」

斎藤
「研修の質を上げるのが大切ということで3番目の論点に移りたい。現状では基準が『望ましい』という努力目標になっているわけだが、そこを強化するのか、するなら具体的に詰めないといけない」

山下
「プログラムが弾力化しているので、誰が研修医に責任を持って研修を完遂させるのか司令塔役が決まってないと2年目が終わったところで何もやってなかったということになりかねない。基準はもの凄く高くした方がよい。そして、その中に協力病院も含める仕組みにすればよい。誰が責任を持っているのか。私は別に大学へ集めようと思っているわけではないので、言いにくいことだが、やはりお医者さんの数がいっぱいいた方がいい。教育というのは人手がかかるものだから。管理型病院は基準を医師100人とか200人とか高い所において、協力病院を組み込めばよいのでないだろうか」

斎藤
「検討会では、たしかに大学病院は人材が厚いが、その分研究も学生の教育もしなければならないから、むしろ市中病院の方が研修医に対して時間を割けるという話もあった」

山下
「それはあると思う。しかし少ない数で地域を診るのはいいと思うが、コンセプト全体も必要だし難しい症例に向かっている姿も見せてあげないといかん。疲弊していることは確かだが、大学が意欲高いのも事実だ」

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