再生医療の運営費、年3000万円超
澤委員は今後のCPCの方向性として、「目指すのはやはり『細胞工場』『セル・ファクトリー』という考え方を持っている。大学の細胞培養施設であっても、細胞を出荷するようなシステムに持っていかなければいけない」と力を込めた。
「まずは、他の施設(医療機関)に細胞を出荷できるか。要するに、細胞の加工を請け負ってできるか。最終的には、われわれのCPCを企業に使ってもらえないか、もしくは使ってもらえるようなレベルにして、CPCを運用しなければいけないのではないか」
澤委員はまた、「患者さんの安全を最も重視して行っているので、GMPに準拠した形で、企業の方々が参加しても可能なレベルでCPCを運営している」と指摘した上で、学会の役割を強調した。
「CPCの運用に何が必要かといえば、施設の認定や加工する技術員の認定、プロトコールの評価などが非常に重要となる。ここで学会が一つの役割を果たせないか。例えば、日本人工臓器学会は体外循環技術認定士の認定制度を持っているので、日本再生医療学会もぜひ産官学の連携の中で、学会としての役割を果たさせていただければと考えている」と述べた。
>臓器移植や人工臓器に代わる切り札として注目される「再生医療」
iPS細胞やES細胞などは、いくつかのトライアルのうち一部が組織レベルで分化が認められたレベルに過ぎず、臓器への分化や発がん性の問題などまだまだ克服すべき課題が多いようですね。(マウスだかラットの背中に耳介を作った写真を見た覚えはありますが、きちんと機能する臓器はまだまだ先ですね。)
私はむしろ、ヒトに対する抗原性タンパクをノックアウトしたクローン動物(ミニブタなど)を更に改良した「異種移植」が臨床的には実現可能性としては早いのではないかと個人的には予想しています。あまり抵抗感がなく、急性拒絶反応時にもリカバーしやすい臓器や組織から、まずは始まるのではないかとは思いますが。