「会長がいじめられる」―DPC分科会で"作戦会議"
■「不十分な治療のまま退院させるのは疾病を悪化」―日医
日医はこれまで、「不十分な治療のまま退院させるのは疾病を悪化させ、粗診粗療の恐れがある」などと、DPC制度を批判している。
DPCは、入院初期の診療報酬が高く、入院期間が長くなるにつれて階段状に低くなるように設定されているため、「早期退院を促す経済的なインセンティブが働く」といわれる。
しかし、短期間で退院させても、空いたベッドを埋める入院患者がいなければ空床の状態が続いてしまうため、医療機関は難しいベッドコントロールに頭を悩ませることになる。
「リセット再入院」とは、完全に治癒していなくとも、いったん退院させて再び入院させることにより、入院期間の起算日を振り出しに戻すこと。
同様の方法として、DPCを算定していない別の病棟にいったん移し、再び戻す「再転棟」もある。「再転棟」は、DPC算定病棟以外の病棟を併設している「ケアミックス病院」に多い傾向があるといわれる。
2008年度の診療報酬改定では、同一疾患での3日以内の再入院(病棟間の転棟に伴う再転棟も含む)を「1入院」として扱うよう算定ルールが見直された。
今回の調査では、「3日以内の再入院」の比率は減少したが、「4日から7日以内の再入院」の比率はやや増加した。このため、「4日~7日以内の再入院については、今後も注視していくことが必要である」とまとめている。
「再転棟率」については、「全体の0.08%と非常に少数だった」とまとめたが、委員からの指摘を受け、修正する見通し。
同日の分科会では、再入院や再転棟が増える原因について、高齢者らが入院する病棟を併設している「ケアミックス病院」の存在を挙げる意見が出た。
また、「ケアミックス病院」に何らかの警鐘を鳴らすような調査が必要だという指摘もあった。
これまでの議論を振り返ると、同分科会の委員の間では、"ケアミックス病院・性悪説"が多数意見のように見えるが、西岡会長や厚労省サイドは病院団体の主張にも配慮しており、「ケアミックス病院」を一律に規制する立場ではない。