「会長がいじめられる」―DPC分科会で"作戦会議"
■ケアミックス病院について
【吉田英機委員(昭和大医学部名誉教授)】
資料の結論で、「再転棟率は全体の0.08%と非常に少数だった」とあるが、これ(配布資料の施設名一覧)を見ると、高い数字が出ているのは、ほとんどがケアミックス病院。特定機能病院のような病院と、ケアミックス病院を別にしないと。これ、医師会が問題視しているそうだ。こういう表現にすると、(中医協)基本問題小委員会で、分科会長がいじめられるんじゃないか。(他の委員、笑い)
西澤(寛俊・全日本病院協会会長)先生、いかがですか? (会場にいた西澤会長、笑いながら手を左右に振って発言を断る)
【西岡会長】
いじめられるのは、慣れているから。(他の委員、笑い)
【相川委員】
かなり多くの病院の中で、再転棟率が3%を超えた病院は少なかった。27ページの3.5%(医療法人誠和会 和田病院、平成 19年度DPC準備病院)、24ページの5.6%(医療法人沖縄徳州会 出雲徳州会病院、平成19年度DPC準備病院)など。
再転棟率が3%を超えた病院は、ケアミックス病院と考えていいか?
【保険局医療課・長谷川学課長補佐】
現時点では、どれがケアミックス病院なのか、比較することは難しい。次回以降の宿題にしたい。
(しばらく沈黙)
【西岡会長】
よろしいだろうか。
【熊本委員】
0.08%という数字に意味はない。事実ではあるが意味はない。もう少し、状況を表す文言に変えた方がいい。
【松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)】
再入院、再転棟ともに、「3%以上だったのは全体の何パーセントだった」という表現でいいのではないか。
【西岡会長】
(6)のところに、「再転棟率が1.0%以上の病院は、76病院のみであった。その中で最も再転棟率が高かった医療機関では11.7%であった」とある。こちらの方がいいのではないか。
【長谷川学課長補佐】
承知した。結論の記載内容は、再度検討する。
【齊藤委員】
再転棟率に影響する要因は何か。再転棟率は、何を反映しているのか。再転棟率に及ぼす因子は何か。
【長谷川学課長補佐】
配布資料の別紙1に「再転棟理由の具体例」を挙げており、再転棟のパターンがいくつかある。
例えば、「狭心症で前回カテーテル検査のため、DPC算定病棟に入院、今回は冠動脈形成術のためDPC算定病棟へ転棟」「計画的手術・処置のため」など、さまざまなパターンがある。
【齊藤委員】
医療の提供体制を考えるとき、再転棟は再入院よりも、その要因が読み取りにくい。
【小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)】
ケアミックス型の病院がDPC対象病院に入ってきたときに、入院期間がリセットされてしまうのが問題になった。ケアミックス病院に何らかの警鐘を鳴らすような調査が必要だ。
【宇都宮啓企画官】
この問題は、まさに最初から懸念されていた。重症な肺炎でも療養病棟で診れるから診てしまえとか。そういうことは想定していなかった。実態としてあるのかどうか、一昨年、改定の前にデータ分析した。ヒアリングを行って、その結果、ケアミックス病院でも急性期医療をしっかりしている病院が多いのではないか。
ケアミックス病院は、急性期病院と慢性期病院が組み合わさったように考えるべきではないかという話があって今に至っている。
もちろん、継続的にウォッチしていくが、少なくとも、これまでのデータで見る限り、ケアミックスでも、急性期・慢性期ごちゃごちゃという実態はほとんどないのではないか。
実際、昨年度に700程、DPCに手上げした病院のうち、今回DPCに入ってきたのは570ぐらい。落ちた130病院には、さまざまな理由があると思うが、急性期・慢性期があまり分かれていないようなことが、今回辞退した理由として多いのではないか。あくまでも推測だが、そのように考えている。
【西岡会長】
報告書はご了解いただいた。修正した上で、(5月20日の中医協)基本問題小委員会に報告する。よろしいだろうか?
(複数の委員がうなずき、了承)