「薬局が悪い」 後発品の促進に"最終兵器"
■「損得勘定が分からない」―大島委員
[大島伸一委員(国立長寿医療センター総長)]
ジェネリックが本当に安全で、品質が良くて安いものであれば、これは国民にとっても、(医療費を減らしたい)国にとっても、こんなに良いことはない。しかし、それが広がらないということは、一体何なのか。
ちょっと不謹慎な言い方になるか分からないが、損得勘定だけで考えたときに、病院あるいは開業の先生方、薬局、要するに(使用促進に)かかわる人たちが、「ジェネリックに移行することによって損か得か」というバランスで見たときに、どういう力関係、損得関係になっているのか、ちょっとよく分からない。それが1点。
もう1つは、「本当に安全なのか?」ということについて、いつもクエスチョンマークの議論が出てくること。クエスチョンマークの議論が出てくるときに、「安全なんだ、安全なんだ、こういう担保もしている」ということをずっと言い続けているにもかかわらず、それが進まない。
もう1つ質問がある。後発品を実際に使った医者が「安全でないかもしれない」、あるいは「安全性に問題がある」というムードがなんとなく漂っている中で、実際に使った医者が、患者に何かトラブルが起こった時に責任を取るのか、これ? その医者に責任はかかるのか? (語気を強める)
「安全だ」という前提で使っている訳だから、処方した医者には責任が一切掛からないと断言してよろしいか?
[遠藤会長]
いくつかの話があったが、最後の部分は質問。つまり、処方医の責任がどうなのか。
それ以前の話については、例えばジェネリックに変えるメリット、デメリットが良く分からないという話があった。これについては、いろんな議論がある。この段階でやるには時間がかかるので、またの議論にしたい。
最後のところだけでよろしいか? ご質問という形で。処方医の責任がどうなのかということで。
[磯部薬剤管理官]
後発医薬品を使った場合の責任の問題だが、先発医薬品でも後発医薬品でも、両方とも厚生労働大臣が承認したものなので、その品質や有効性、安全性が適切なレベルにある場合に承認するということが、薬事法の規定にある。そういった視点で、厚生労働大臣が認めたもの。後は、薬事法の規定による。
当然、品質の確保については、「GMP」という規定もある。メーカーがきちんと品質の担保をすることが薬事法上、規定されている。そういった意味で、品質の確保について、一義的には製造した当該企業の責任ということが、薬事法上は明確にされている。
適切に使用したにもかかわらず、予測できない副作用が生じたような場合については、先発医薬品と同様に「副作用被害救済制度」の対象になる。先発品も後発品も同じ問題であると、ご理解いただきたい。
[遠藤会長]
よろしいだろうか。
[保険局医療課]
先程、データの件で質問があった。資料「中医協 総―1―4」。「後発医薬品の使用状況調査」の報告書の41ページ、図表47。これは、薬局に対して後発医薬品の説明や調剤に積極的に取り組まない理由を(診療所と病院の医師に)聞いた設問。その中に、「薬局に経済的な便益がないため」という選択肢を用意したが、この理由を挙げたのは25.0%だった(複数回答)。
お医者さんに対するものは、76ページの図表93。後発医薬品の処方を進めるための環境について尋ねたところ、「後発医薬品を処方する際の診療報酬上の評価」は、図表93の通り。
以上、データの紹介だけさせていただいた。
※ 診療所・病院ともに「医師や薬剤師に対する品質保証が十分であることの周知徹底」(それぞれ42.6%、44.5%)が最も多かった。「後発医薬品を処方する際の診療報酬上の評価」は、診療所4.0%、病院3.5%だった。
[遠藤会長]
ありがとうございます。大島専門委員、よろしいだろうか。
[大島委員]
私は素人なのであまり詳しくはないが、「損か得か」だけ言ってもらえれば、それでいい。薬局にとって損なのか得なのか、病院にとって損なのか得なのか、開業医の先生にとって損なのか得なのか。そのマトリックスが見えれば判断しやすいと思って、このような疑問を呈した。
[遠藤会長]
議論している先生の中では、さまざま違うだろうが、「マトリックスはできているんだろうな」と、それで対策が立てられているんだろうと思う。それでは次、順番が分からなくなったが、小島委員、どうぞ。