妊婦の搬送コーディネーター、年度内開始に向け議論―東京都
■既存の地域の取り組みと、制度としての取り組み
[中林正雄委員(愛育病院院長)]
そうすると「東」と「西」というか、「消防庁」と「多摩」という二つに分けてセンター的なものを作るということになるのか。多摩ブロックは大きいからそれで一つのセンターにして、他のところは八つ(のブロック)があるが、7人(の助産師)を一つひとつのセンターに置くのは意味ないから、多摩だけは別にしましょうと。
[岡井会長]
このストーリーは杏林大が独自にやっているということだが。
[事務局・吉井部長]
去年の前半までのスタンスは、総合周産期センターがその地域のブロック内について、転院搬送や母体搬送の受け入れをして、言い方は悪いかもしれないが「自区内処理」というようなことをやる。そこでは総合周産期が地域の中のことは責任を持ってやるという仕組み。これを言うと申し訳ないが、杏林大は多摩で唯一の総合周産期センターということで、なかなか受け切れず、依頼をした医療機関が自ら探すという事例があった。そういうことを杏林大が改めて「できないからできない」というのではなく、助産師を配置して調整をしようと杏林大の取り組み。言葉に御幣があったら謝るが、これは昭和大病院や日赤医療センターや愛育病院も色々とされている、総合周産期センターのコーディネート機能の形。
岡井先生の言うように、圏域を越えて対応せざるを得ないという場合にそこをどうしようということ。全都的に調整を行っているということで東京消防庁が望ましいという形で、(搬送コーディネーターの)部会で検討しているということ。
[中林委員]
私も部会の副委員長だから状況はよく分かっている。ただ、その状況で実際につくるためには、多摩に一つあって、もう一つが大手町(東京消防庁の所在地)にある方が実践的なのか。それとも多摩は杏林がやったが、大手町にもつくって杏林がやっているものを全部まとめるのか。我々のコーディネーター部会では、方策として全部一つにした方がいいということでまとまっていた。しかし、それが実態を反映していなくて、むしろ多摩は別にあった方がやりやすいのではと、今思った。わたしどものところ(愛育病院が管轄する区中央部ブロック)では7、8人も貼りつけるほど助産師もいないし、それほどの(搬送)件数も来ないので、大手町で一緒にやってもらった方がいいとわたしたちは考えた。多摩地区はその件数が多いから、自然発生的にできたと理解したらいいのかなと思い、聞いた。
[岡井会長]
体制として、杏林大は自分たちの領域を広く見ているから大変で、やったということ。それでやる余裕が病院にあれば、(東京消防庁に)なくてもすんでしまう話になる。
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