産婦人科医の労働拘束時間、月平均372時間-日産婦学会調査
■40歳以上の女性医師に厳しい労働環境
また、当直のある病院の女性医師医の月間在院時間を見ると、29歳以下は329時間で、30-39歳は274時間、40-49歳は268時間、50-59歳は279.5時間だった。
年齢層別在院時間の分布(図)を見ても、39歳以下は平均「300-349時間」の労働時間となる女性医師が多いが、40-44歳の場合は「200-299時間」と「350-359時間」に2極化している。これについて同会は、40歳代から現場の主戦力となって管理業務や当直などをこなす医師が出てくると同時に、子育てを終えて短時間勤務で現場に復帰する女性医師が増えてくるとの見方を示している。
さらに、今回の調査に答えた40歳以上の女性医師は38人と、40歳以上の男性医師のほぼ6分の1の人数にとどまったことについて、「実際に病院に勤務しているこの年齢層の女性医師が少ない。この調査結果は、家族のいる40歳以上の女性医師が継続的に就労するには条件が厳しすぎる可能性を示唆している」と指摘。産婦人科の女性医師の割合が30歳代で50%以上、20歳代では70%以上を占めているとした上で、現状の労働環境を改善する必要を訴えている。
■外科医と同程度の労働時間
このほか、小児科や外科の勤務環境との比較も示した。
2005年に日本小児科学会が実施した調査で30歳代の週平均労働時間が62.9時間だったこと、日本外科学会のアンケートで病院勤務外科医の週平均労働時間が68.8時間だったことから、「病院勤務産婦人科医は小児科医よりは若干在院時間および労働時間が長く、外科医とほぼ同程度と推定可能」としている。