約4割の産科施設、今年度中に出産費用増額を予定―厚労省研究班
■「地域住民の所得が分娩費用に影響」
また、研究班は「地域住民の所得水準」が分娩費用に大きな影響を与えていると分析。
都道府県別の分娩費用の平均額を見ると、最高は東京の約51万5千円で、神奈川(約47万7千円)、栃木(約46万3千円)と続く。最低は熊本の約34万6千円で、鹿児島(約36万51千円)、香川(約36万7千円)の順。東京と熊本の間では1.5倍の差があった。最高額は東京都内の施設で81万円、最低は京都府内で21万円だった。
研究班は、医師数や産科病床数、分娩数などは分娩費用総額と相関せず、「地域住民の所得水準」と「分娩費用が安い公立病院がある」に相関性があるとした。その上で、「安全を提供するシステムに差はないはず。地方を活性化させるためにも、都市部と同等の費用が望ましい」と主張。現在の周産期医療の危機的状況を打開するには分娩費用の増額が求められると要望した。