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県外の救命センターへの搬送状況地図―関東、近畿圏


会合中にこの資料について、事務局を担う消防庁救急企室の溝口達弘救急専門官が次のように説明した。

(発言内容)
都道府県でどういった体制が必要なのかということで、救命救急センターでどういう搬送がなされているかということを消防側のデータから分析したもの。2008年度中のデータで、救命救急センターに運ばれた事案ということで整理した。茨城県から栃木県の方に635件、茨城県から千葉県の方には616件の搬送があった。土地勘のある方なら、「あそこの病院かな」ということが分かると思う。

こういうデータを出した意味は二つある。

▽都道府県間の調整が必要ということ。
▽調査分析して、データというものをまずきちんと把握していく必要があるということ。都道府県も自分の圏内で計画するということは往々にしてあると思うが、救急でのポイントは自分で選択できないということ。自分で「東京のあそこに行きたい」ということでなく、各個人が選択できないということを前提に、それを踏まえた上での基盤作りが必要ということ。

 
 
これを見ると、都道府県内で調整が行われているのかなというデータになっている。兵庫は鳥取とも連携している。大阪、奈良はほとんど自分のところで行っているのかなというデータ。
 
奈良県と佐賀県について。
奈良県では、救命救急センターへの搬送が855件あった。このうち県外に搬送された「区域外搬送」は23件。区域外搬送数を全半総数で割ったものが2.7%。1655件の照会数があって、県外の救命救急センターに照会したのは71件と、4.3%になる。県外にお願いして「ヒット」したもの(区域外搬送数/区域外照会数)が32.4%。
 
佐賀県のデータ。区域外搬送が1140件と、すべての搬送(3914件)の中で、3割近くが外に出している。照会したものの中でも3割近くが県外に照会していると。しかしながら、外にお願いして「いいですよ」と言ってもらえる率は、実に9割を超えているというデータがでている。
【編注】佐賀県...全照会数4234件、区域外照会数1217件、「区域外搬送数/区域外照会数」は93.7

これは、都道府県を超えるのが良い、悪いということでなく、こういうデータをとらまえながらやっていく必要があるということ。
(以上)
 
 
 また、日本病院会会長の山本修三委員は意見交換の中で、「地域格差の中で典型的なものがある。この地図でいう千葉から福島の太平洋側には産科(の救急患者)を受けられる施設はない。そういう厳しい地域もある。そういう患者さんをどうやって受けていこうかと、考えさせる仕組みを作るということ」と述べ、都道府県が今後策定する搬送ルールについて、地域の実情に応じた柔軟な内容にしていくべきと求めた。

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 事務局が示した資料によると、2008年度に救命救急センターなど3次救急レベルの施設に搬送されたのは42万3482件。このうち区域外に搬送されたのは4478件と、1.1%の割合。照会回数は45万5490件で、区域外への照会は5440件。区域外に照会されたケースの82.3%が受け入れられていた。
 
 全搬送数に占める区域外搬送の割合が高かったのは、佐賀(29.1%)、茨城(6.7%)、群馬(5.8%)、山梨(5.7%)、埼玉(4.1%)の順。
 区域外への照会の割合について、こちらもトップは佐賀(28.7%)で、茨城(6.8%)、山梨(5.9%)、群馬(5.4%)、奈良(4.3%)と続く。
 区域外に照会して受け入れられた率が最も低かったのは奈良県(32.4%)で、東京(56.0%)、千葉(57.7%)、神奈川(59.4%)、秋田(71.4%)の順だった。
 
 消防庁救急企画室の開出英之室長はこのデータについて、「都道府県も自分たちの実態がこうなっているということはこれまであまり知らなかったのではないかと思う。消防法の改正で新しく設置が義務付けられた協議会には、搬送実態の調査や分析という役割があるので、ぜひ実態を元に議論を活発化していってほしい」と話している。

 
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