「眼科」「外科」「産婦人科」は黒字 ─ 診療科の収支を改定に反映か
■ 調査の概要
[田中滋分科会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)]
本日は、2つ議題がある。始めに、「平成20年度医療機関の部門別収支に関する調査報告について」を議題とする。事務局(保険局医療課)から説明をお願いします。
[厚労省保険局・小野太一保険医療企画調査室長]
はい。保険医療企画調査室長でございます。よろしくお願いいたします。
(資料)「診調組コ─1」(医療機関の部門別収支に関する調査報告案)に沿って、本年度の部門別収支に関する調査報告案を説明したい。
本年(の調査)は、昨年度までの実績を踏まえ、(調査研究ではなく)「試行的調査」なので、調査結果を中心に説明したい。1ページ(調査の概要)をご覧いただきたい。
調査の種類は、「一般原価調査」と「特殊原価調査」の2つ。
○ 調査の種類
「一般原価調査」とは、病院における診療科別の収支を算定するための調査で、(調査に参加した)すべての病院に対して実施。
「特殊原価調査」は、中央診療部門(手術・検査・画像診断)における費用を各診療科に割り振るための係数(等価係数)を作成するための調査。
「一般原価調査」は、190の病院に調査票を発送して、集計できたのは127病院(回収率66.8%)。「特殊原価調査」は、15病院に調査票を発送して、集計できたのは14病院(回収率93%)。
※ 2008年6月13日に開催された前回会合で、池上直己委員は次のように説明した。
「一般原価調査」は、それぞれの収支状況を診療科別に見る。
「特殊原価調査」は、耳慣れない用語かもしれませんけれども、結局これは病院の治療診療部門、手術、検査、画像診断などこういった部門は、そこの費用をどうやって各診療科に配賦したらいいかということで、「等価係数」という考え方を用います。
「等価係数」というのは、DPCと同じように、ある基準値となる手術に対してほかの手術がどのくらい費用がかかっているか、あるいは同じように、基準となる単純X線に対してほかの画像診断がどのぐらい費用がかかるかということを相対的に見るための調査であります。それらを合わせてこの診療科別の収支を把握する。
収支計算の方法としては、「階梯式配賦方法」というのがございまして、順に計上していくわけです。
○ 開設者
開設者は、ここ(資料)に書いてある通り。
▼ 「国立公立」 「医療法人」 「その他」─の3分類としている。
○ 病床規模
(一般原価調査は)199床以下が32病院、499床以下が71病院、500床以上が24病院。
また、DPC対象病院と準備病院の比は、127病院のうち91病院(72%)がDPC対象病院、36がDPC準備病院となっている。
▼ 127病院のうち最も多い病床規模は「200~499床」の71病院(56%)で、DPC病院でも同様。
「特殊原価調査」は14病院が対象。設置主体別では、5(国立公立)、3(医療法人)、6(その他)。病床規模別では、「20~199床」が3病院、「200~499床」が6病院、「500床以上」が5病院。
DPC対象病院は9病院、DPC準備病院が5病院となっている。
【目次】
P2 → 調査の概要
P3 → 調査の内容
P4 → 入院、外来別
P5 → レセプト診療科別
P6 → 診療科群別
P7 → 患者1人1日当たりの医業収支
P8 → 収支率の分布
P9 → 「等価係数」について