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慢性期入院医療、「データでは赤字は拡大していない」-中医協分科会


 コスト調査についての意見交換では、三上委員が入院基本料以外の収入についても傾斜配分して収支差を出すよう求めた。
 委員のやり取りは次の通り。


[三上裕司委員(日本医師会常任理事)]
費用差最大で人件費を傾斜配分していますが、入院基本料以外の収入の部分も、当然傾斜配分すべきではないかと思うのですが、今回は5237円と共通にしてある。当然医療区分3の方が、多分収入が多くて入院基本料以外ので出来高部分の収入もあると思いますが、その辺をどのように考えるかということですが。前回の中医協で出たと思うが、診療行為別調査の結果で、一つの部分がプラス200何%とか、対象によって異なるので共通施設ならそれはそれでいいのですけど、出来高部分もきちっと割り振っていかないと経年変化は見れないと思うので、ぜひそうしていただきたい。

[池上分科会長]
そうしますと出来高部分に関しては、医療区分の点数に按分して、と同じ比率でやるということ。

[三上委員]
必ずしもそういうわけじゃないですけども、このレセプト調査で、入院基本料以外の出来高が920円とかリハビリテーション887円とか色々書いてありますが、これはすべてデータがあるんでしたら、共通分の病院のデータを出していただいて、それを足していただくのがいいんじゃないかと思いますが。

[池上分科会長]
あの、そういう形でひもつけできますか。

[事務局]
区分ごとにですよね。ちょっとできそうなという感じでありますが、実際にやってみてデータを出せれば提示させていただきたいと思います。

[高木安雄分科会長代理(慶応義塾大大学院教授)]
確かにやろうと思えばできるけれども、要するにリハビリテーションはADL区分とか、出来高部分は医療区分とか。何か軸を決めないと一つ一つ見ていくというのは医療区分の慢性期の基本の骨格の部分ですので、やることはできますけど、えいやと出来高部分とリハビリテーションをADL区分と傾斜配分か何かでやらないと。一つ一つ落としていくというのは出来高に落としていく話ですので、と私は思っています。全体的に920円とリハビリテーションの887円、これを一つ一つ落とすことの作業のコストと9区分の話と、労を苦してあまり出ないのではないかと思うので、えいやと決めちゃっていいのではないかと思います。

[三上委員]
なぜかというと15ページです。費用差最大の場合、20年度の医療区分1ADL区分1というのは694円。ADL区分2と比べて2600円も違う。どうしてこういうことが起こるかということが理解しがたいものですから、ちょっと申し上げています。

[高木分科会長代理]
これは診療報酬でADL区分1と2を一緒にししているという結果の裏返しですから、医療区分で9区分で議論していけばまた違う形になる、と私は思うんですけれども。要するに医療区分1ではADL区分1とADL区分2を一つにしちゃってますからね、診療報酬では。それの差だけではないんですか。

[池上分科会長]
ADL区分1とADL区分2は(点数が)一緒であるにもかかわらず、ADL区分2のほうがコストがかかるので、このように差が大きくなっていると解釈して。そしてADL区分3のコストが、若干赤字がADL区分2より小さいのは、ADL区分3のほうが若干(点数が)高くついているのでADL区分3のコストよりも上回る点数が付いていて。なおかつ赤字ですけど、ADL区分2と比べれば赤字幅が縮小していると解釈できると思いまして。これは高木委員が仰ったように、出来高の範囲をここに全部入れたとしてもそれで説明できなくてこれは点数設定の問題と、コストの発生との関係で、説明できるのではないかと思いました。

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