「開業医の立場ではない」 ─ 中医協で日医委員
■ 「意図的に簡素・合理化してやっと複雑化を抑制できる」 ─ 対馬委員
[対馬忠明委員(健保連専務理事)]
2点ほど。1点目はごく簡単な話。(資料「診─2─2」付帯意見の検討状況)6ページ、「医療保険と介護保険のサービス」について。
「転換老健」と書いてあるが、やっぱりここは......、介護(給付費分科会)で、名称についても随分議論したので、やはり「介護療養型老人保健施設」と、しっかり正式名で書いていただきたいと思う。それが1点。
6 医療保険と介護保険のサービスが切れ目無く提供されるよう、引き続き検討を行うこと。
○ 平成20年度診療報酬改定においては、転換老健や居住系施設入所者・入居者に対し、手厚い医療が提供されるようにした。
○ 平成20年9月24日中医協総会において、老健施設入所者に対する処方せんの交付について議論を行った。さらに、その結果を踏まえ、10月22日総会では、老健施設入所者に対して医療保険から算定できる項目等について議論を行った。
(参考) 平成21年度に介護報酬改定が行われている。
▼ 2008年4月に創設した転換型の介護老人保健施設(転換型老健)の名称については、「医療機能強化型」という言葉を入れるか、「療養型」という言葉を残すかなどをめぐって議論があった。同年2月20日の社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東京大名誉教授)は、転換型老健の名称を「介護療養型老人保健施設」とすることで合意した。
それからもう1点は、4ページの「診療報酬体系の簡素・合理化」について。
4 診療報酬体系の簡素・合理化について引き続き取り組むとともに、個々の診療報酬項目の名称について国民に分かりやすいものになるよう検討を行うこと。これは放っておくと、どんどんどんどん、複雑化していくばかりなので、やはり意図的に簡素・合理化していこうと思ってやって、やっと複雑化を抑制できるということだと思うので、ぜひ1つよろしくお願いしたい。
平成20年度改定では、類似の内容の項目についての整理や名称の変更等を行った。次回改定においても、よりわかりやすい診療報酬とするため、今後、検討を進めていくことが必要と考えられる。
1点だけ、これは事務局(保険局医療課)というよりは歯科医師会に伺いたい。渡辺委員......。以前、(07年11月21日の基本問題小委員会で)歯科の(補綴物維持管理料の)名称が非常に分かりにくいと、これでは国民に何をやっているのかを、明細書なりレセプトなりを見てもよく分からないではないかという話をした。
その時に、(渡辺委員は)「いや、(日本歯科)医学会でも検討している」という話を伺ったと思う。それも名称の簡素化、"見える化"につながると思うので、その辺りも、もし検討して、「こういう状況だ」というのが分かれば言っていただきたいし、また、そうでなければ今後ぜひ、よろしくお願いしたいと思う。
▼ 対馬委員の記憶違いだろうか。渡辺委員は「私もそう思っておりまして、実は患者さんに領収書を出すときに補綴物維持と言ってもなかなか分からない、あるいは欠損補綴と言ってもなかなか分からない、そういう意味で、ぜひそういう視点は重要だというふうに私も考えております」と回答している。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
はい、ありがとうございます。まず、事務局(保険局医療課)にご要望があったので、もし何かコメントがあればお願いします。
[保険局医療課・佐藤敏信課長]
特にありません。ご指摘のように、今後注意したいと思う。
[遠藤委員長(中医協会長)]
1つ、よろしくお願いいたします。渡辺委員、突然の質問だが、コメントできる範囲で結構なので。
[渡辺三雄委員(日本歯科医師会常務理事)]
確か、(08年度)改定の協議をしている中で、「非常に分かりにくい」という対馬委員からのご指摘だった。私も患者さんにとって歯科の専門用語を使った項目というのが分かりにくいという、同じような認識をしているので、「そういう点は検討すべきですね」というお話(回答)だった。
(補綴など)これは非常に歴史のある学術用語から来ているものもあるので、学会でも検討していると聞いているが、教育現場や学術的な討議、検討をしている中での問題とか、いろいろあって、また臨床現場でも私たちはそういう言葉に慣れ親しんでいるところがあるので、そういうところで混乱がないような形で学会も検討していると聞いているので、それは結果が出るところであれば、また報告できればと思っている。
[遠藤委員長(中医協会長)]
よろしくお願いいたします。ほかに、よろしいだろうか。本日、付帯意見の中身についての進捗状況の報告だったが、踏み込んで議論しているものもあるし、そうでないものもあるので、本日の意見を踏まえて議論を進めていきたいと思う。(次の議題へ。以下略)
【目次】
P2 → 「ご確認いただくという趣旨で準備した」 ─ 厚労省
P3 → 「勤務医が逃げ出すほど忙しくなっているか疑問」 ─ 藤原委員
P4 → 「意図的に簡素・合理化してやっと複雑化を抑制できる」 ─ 対馬委員