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救急受け入れ不能の理由、「実は分からない」 ─ 厚労省

■ 「受け入れ対応の改善が大変重要」 ─ 日看協
 

[牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授)]
 数字の確認をさせてください。参考資料の7ページ、(産科・周産期傷病者の救急受入の照会が)11回以上の件数が47、割合が0.3%というお話がありました。
 次の8ページ、「照会回数11回以上の事案における受け入れに至らなかった理由と件数」がありまして、産科・周産期傷病者を見ますと、624という数字が出ています。この624という数字と、先ほどの47という数字の違いの説明をいただきたいのですが。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 分かりましたら、お願いいたします。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 これは消防庁のデータを医政局の指導課がもらって転記の形にしておりますので、ちょっと今日、この段階では分かりませんけれども、確認をして次回以降にご説明したいと思います。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 その対応で結構ですので、よろしくお願いします。牛丸委員、それでよろしいですか。はい、ありがとうございます。(中略)

[坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)]
 (周産期・救急の出口の問題は)やはり家族の受け入れ不能ということを感じておりました。だから、(退院に向けて看護師が患者家族に)早期にかかわることによって6割ぐらい退院させられるというデータを出している病院があります。
 だから、NICU(新生児集中治療室)にいる早くから、家族とのかかわりを......、ソーシャルワーカーも含めてかかわっていくことによって成功している病院もあるわけですので、そういうところを(診療報酬で)厚くしていくというのが大事だと思います。

 それからもう1点、資料の8ページですが......。
受け入れ不能理由.jpg 今度は「入り口」の話ですが、受け入れに至らなかった理由の件数の中に、ドクターの「手術中」とか「患者対応中」というのがありますが、これはどういう患者さんを対応されていたのか。例えば、分娩であったのか、それから、何らかの医療事態があって、そういうふうになったのかということの詳しい内容は分かるでしょうか。もし、これが「手術中」「患者対応中」で受け入れられないということなら、患者さん、国民から見れば、「受け入れられない」ということをいつも不安に思っていなくちゃいけないわけです。

 「ベッド満床」は、何らかの形で退出をサポートしていくということと、もう1つ、「入り口」のところで、「受け入れる対応」というのをどのように改善していくのかということが大変重要だと思いますので、もしここが分かりましたら教えてください。

 ▼ いつも思うのだが、なぜもっと端的に、「トリアージナース」や「退院調整看護師」の役割の重要性や必要性を打ち出していかないのだろうか。専門委員として中医協に参加しているのだから、「日本看護協会の調査では、トリアージナースを配置した病院では受け入れが○%改善した」とか、「退院調整看護師を配置した病院では、退院割合が前年度同月比で○%増加した」というデータを示せばいいのではないか。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 事務局(保険局医療課)、どうぞ。

[医療課・佐藤課長]
 はい、医療課長です。結論から言いますと、実は分からないんです。と申しますのが、この調査というのは消防庁が何年かにわたって継続して行っている調査でして、消防庁が消防庁独自の調査項目を設けて調査しているものです。もっと具体的に申しますと、各消防隊員、救急隊員が患者さんの搬送を担当して、「受け入れがなかなか難しかった」という場合に、どの項目に該当するのかを個々の救急隊員等が、個人の主観的な判断でやっております。

 そういう意味で言うと、救急救命士のように専門的な方もいらっしゃいますけど、必ずしも医学、医療の専門家でない方が看護師さんや、あるいはそこで応対したお医者さんに聞いて、「なぜ駄目なんですか?」、あるいは電話で「なぜ受け入れ駄目なんですか?」という受け答えがあったときに、ま、何度も言いますが、救急隊員や救急救命士が自分の判断で、「これは手術中」「患者対応中」とチェックをしておりますので、本当のところはなかなか分かりません。

 ちょっと今日はあんまりはっきりしたことは申せませんが、平成19年か20年の終わりごろに、この辺りをもう少し丁寧に分析してみようということで消防庁が企画したやに聞いておりまして、もしこの中身をもう少し分析したものがあるのであれば入手したいと思います。

 今日のこの時点では、長年にわたってこの項目で調査しているものであって、主観的に救急隊員等がチェックされたものを集計したものと聞いております。そういう意味で、蛇足になりますが、私どもがこのデータだけ見て対応できるものは、「ベッド満床」の辺りかなーということで、こういう「ベッド満床」を改善するような方策なら、このデータからでも対応できるのかなということで、いくつかの資料を付けた次第です。よろしくお願いします。

 ▼ 「ハコ」へのこだわりは本当にすごい。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 ありがとうございます。そのご趣旨はよく分かりますが、しかし、先ほどから坂本専門委員がおっしゃっているのは、「入り口」と「出口」で、さまざまに受け入れ困難になっている理由をもう少し明らかにしておくべきであり、それがあれば、適正な報酬もそこに付けられるのではないかということなので、(日看協副会長の坂本専門委員が)そこのところをかなり何度もおっしゃっているわけです。事務局、どうぞ。

 ▼ 佐藤課長が劣勢。しかし、すかさず援護が......。

[医政局救急・周産期医療対策室長]
 救急・周産期医療対策室長でございます。先ほど、(牛丸委員から)ご質問を頂いた件で、理由が分かったのがございましたので、この場でご紹介させていただきます。

 スライドの7、8について、11回以上の(照会)件数がスライド7では47となっていたのが、スライド8では624というところで、「なぜ違うのか」というご指摘につきまして、スライド7については、最終的に受け入れた件数ということで47。
 スライド8については、それまでに至る断った各医療機関の合計が挙がっているということになっています。当然、かなり、11倍以上になっているということでございます。

 ▼ こうして話をそらされ、のらりくらりかわされながら厚労ペースで進んでいくのが現在の中医協。本題とは関係ないが、最近、医療系記者の間で話題になるのは厚労省の役人について。「1人ひとりはとっても良い人たちなんだけど、まとまると、どうしてこうなるんでしょう」という意見でなぜか一致している。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 ありがとうございます。牛丸委員、よろしいでしょうか。はい。ほかに、周産期についてご意見、ございますか。よろしいですか。もちろん、周産期の議論は今日がまさに始まりですので、今後もずっとやりますので、またじっくりとやっていただきます。(以下略)


 
 
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 【目次】
 P2 → 「医師が多ければ受け入れ先が決まるわけでない」 ─ 厚労省
 P3 → 「受け入れ対応の改善が大変重要」 ─ 日看協

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