文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

救急受け入れ対策、「医師の適正配置もある」 ─ 厚労省課長


■ 照会回数が多いのは「医師が多い地域」 ─ 厚労省
 

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 (周産期医療の説明に引き続き)それから、一挙に救急医療もご説明させていただきます。(資料は)救急についても同様に、本文「診─1─2」(円滑な救急医療体制を構築するための救急医療機関への支援)と、「参考資料」という形式で準備していますので、、両方をにらみながらお聞きいただきたいと思います。

 スライド(参考資料)2ページですが、わが国の救急医療体制は、「初期」「二次」「三次」という救急医療機関が階層的に整備されてます。(略。救急医療体制について説明)

 ▼ 今年5月の消防法一部改正に触れた。各都道府県で、医療機関、地域の医師会、消防機関などが参画する協議会を設置し、地域の搬送・受入ルールを策定することになった。「搬送・受入ルール」について具体的な説明はなかったが、「傷病者の状況に応じた搬送先となる医療機関のリスト」「搬送先医療機関が速やかに決定しない場合において傷病者を受け入れる医療機関を確保するためのルール」が赤字で強調されている。脳卒中の連携パスのように、医療機関名がリストに記載されていることを加算の要件にしたいのかもしれない。
 同日、事務局(保険局医療課)が示した論点1には、「地域の搬送・受入ルールに従って救急搬送を積極的に受け入れる医療機関の診療報酬上の評価についてどう考えるか」と書かれている。これまでのパターンから予想すると、この記述は「診療報酬上、評価してはどうか」となり、その後、「診療報酬上、評価する」に変わる。

 本文に戻りまして、現状と課題について。(略。救急医療をめぐる現状について説明)

 ▼ 現状について指摘したのは、▽救急搬送件数が、この10年間で約1.5倍 ▽年間約500万件まで急増したが、救急車の適正利用の広報のためか最近は高止まり ▽救急搬送件数の増加は、高齢者が多く、重症度別では軽症・中等度が多い ▽救急患者の受け入れ状況は、照会回数4回以上の事案が約4%(重症以上の傷病者の場合)─など。「照会4回以上が4%」について佐藤課長は、「つまり25回に1回は4回以上問い合わせしなければいけない」と補足した。

 スライド(参考資料)7ページをご覧ください。先ほどの周産期医療の場合とほぼ似たような分析をしており、(既に説明済みなので)あまり細かく申しませんが、たいていの事例では3回目までの問い合わせ(照会)で受け入れられているのですが、(照会)11回を超える例が0.2%ある。それから、(救急車の)現場滞在時間。たいていの事案では30分未満でなんとかなっているが、それを超える事例がある。

 それから、下の地図も先ほど産科・周産期の救急のところで申し上げた通りです。

救急受入れ分布.jpg この地図を見てお分かりだと思いますが、一部の例、例えば宮城県とか茨城県とか、一部の例外はありますけれども、4回以上問い合わせた事例、30分以上かかった事例が全国平均を上回った所というのは、一般的に言うと、医師が多い地域に多いということですから、単純に医師を増やすとか、単純に医療機関を増やすということだけでは、なかなかこうした問い合わせの(多い)事例を減らすということは難しい。

 ま、別な言い方をすると、先ほどから何度も言っていますけれども、診療報酬だけでこうしたことを解決するというのは非常に難しいということが分かると思います。


 1  | 2 |  3 
  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
loading ...
月別インデックス