新体制の中医協で、ついに"開戦"
■ 「いやいやいや......、あの......」 ─ 遠藤委員長
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
いやいやいや......、あの......(ヒートアップ。強引に発言を抑え込もうとするが)
[嘉山委員(山形大)]
(語気を強めて)議論が全く......
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
その辺が斟酌されて、西岡委員長......、分科会長は......、あ、あの、ご報告をされなかったんだと思いましたけれども、基本的に今回初めて、この調査というのを認めて、調査報告が出てきたものですから......、それはまあ......(動揺している様子)
[嘉山委員(山形大)]
それは了解するんですが、今までの会の流れを見ていると、(資料説明ばかりで)あまりにも議論がない......(遠藤委員長がさえぎる)
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
それは私も前回、(説明を簡潔にするよう)申し上げたように......
[嘉山委員(山形大)]
それは先生、おっしゃった通りで......
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
議論をできるだけ多くしようと......
[嘉山委員(山形大)]
ですから、西岡先生にはかいつまんでお願いしたいと思うのですが。
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
いえ......、もう......、終わりですよね?
[西岡分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
はい、もう終わっておるんですが......(傍聴席などから笑い声あり)、実際には......、えっと......、ご質問を頂いたために、ごく簡単にご説明させて......。
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
はい、私の......、まあ、議事の運営の問題もありまして、いろいろと......、ご迷惑をお掛けしています。それで、1つだけ私、お聞きしたいのは、せっかく今回特別調査をした。
この特別調査の目的というのは、そもそも、(導入妥当4項目以外の)6つの候補になっているものが使えるかどうかを調べるための調査であったわけですけれども、その辺のところで、その......、専門組織、分科会では、どういうような議論、結論になったのか、そこを簡単にお知らせいただけますか?
[西岡分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
最初に申し上げましたように、うまく差が出ているものに関しては「機能評価係数」の候補として採用させていただきたいと思いますが、差が出ていないものに関しましても、(グラフの)縦軸と横軸の取り方によってかなり差が出てくる可能性がございます。そういった意味での分析をさらに行いまして、それを「機能評価係数」に挙げていきたいというのが、今の議論の傾向でございます。
▼ 基本問題小委員会への報告に先立って開催された10月26日のDPC評価分科会では議論がまとまらなかった。結局、DPCを導入している病院はほぼ同じようなレベルの機能を持っており、データ上で有意な差を見い出すことは難しいとの結論だった。このため、いったん基本問題小委員会に投げて、その意見に基づいて再度分析を進めるという方向で落ち着いた。同日の分科会は、「差が出ないような機能評価係数であるなら調整係数を廃止しないほうがいい」との意見が出るなど紛糾。収拾がつかない、しっちゃかめっちゃかの会議だった。
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
分かりました。(落ち着きを取り戻した様子) そうすると、まだ、「これは」というものに絞られている状況ではないと理解してよろしいですね。
[西岡分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
はい。
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
分かりました。ありがとうございます。事務局(保険局医療課)、何か付け加えることはありますか。
[保険局医療課・迫井正深企画官]
特にございません。
[遠藤久夫委員長(中医協会長)]
はい、分かりました。それでは、そのような形で今、ご報告がありました。「新たな機能評価係数」に何を採用するかという議論をしているわけですが、それに直接関係しない話でも、DPCの話であれば結構でございますから、皆さんのご意見、ご質問を頂きたいと思います。嘉山委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「何が問題かを議論したほうが国民のためになる」 ─ 嘉山委員
P3 → 「いやいやいや......、あの......」 ─ 遠藤委員長
P4 → 「全国の小さな病院も全部入っている」 ─ 西岡分科会長
P5 → 「DPCを改善しなきゃいけない」 ─ 嘉山委員
P6 → 「医療がどんどん荒廃してしまう」 ─ 鈴木委員
P7 → 「完治に至らないままの退院が増えているという実感」 ─ 安達委員
P8 → 「ちゃんとやっても赤字というのはおかしい」 ─ 邉見委員