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ニュース〜医療の今がわかる

DPC病院の延命は"ブラックボックス" ─ 調整係数廃止で

■ 「移行期間は『暫定調整係数』で最低水準を保証」 ─ 企画官
 

[熊本一朗委員(鹿児島大医療情報管理学教授)]
 数学的な、数字の話になってくるんですが、「基礎係数」というのが新しく出てきたのかなと思ったのですが......。たぶん、(資料)「D─1」(新たな機能評価係数の導入にかかる対応の概念図)では点数で上積みする......、同じ色合いの中で出ていますが、これは係数ですから、従来であれば(前年度の収入実績を)基準にして、前年度(の収入と同じ)になるようにして、「機能評価係数」を引いたりして、その病院の「医療機関別係数」が決まったわけですが......。

 「調整係数」がなくなるということで、ゼロから積み上げるということになったときに、極めてその......、「(新たに導入する機能)評価係数」を取れなかったら本当に5割減とか、そうしたことになりかねないこともあるかと思ったのですが、「そういうことがあまり起こらないように」という意味ですか、この「基礎係数」という言葉が出てきたのは。数字的な問題かなと......。

[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
 企画官、お願いします。

[保険局医療課・迫井正深企画官]
 あの......、これ......、資料を直前までいろいろ議論して作っておりまして、少し表現が分かりにくい部分が......、今気付いた部分もありますので、今のご質問に答える形でご説明したいと思います。

 最終的に落ち着くべき数字なり、やっぱりその......、係数と言いますか、基準点というのを必ず議論していただく必要があるということ。ゴールの「平成XX年」と書いてますが、それを俗に「基礎係数」と呼ぼうと。
 この数字の設定の仕方についてさまざまなご議論があることを承知いたしておりますし、それよりもむしろ結論を出すのではなくて、そこを目指してどういうステップを切るのかということです。

 それである種、訂正と言いますか、分かりやすくするためにもう一度解説をさせていただきますと、(資料・調整係数の段階的廃止について)2の「この際」という所。

2 段階的廃止についての事務局案
 調整係数を診療報酬の改定毎に一定割合ずつ減じ、新たな機能評価係数に置き換えてはどうか。この際、ある程度の最低水準を保証する基礎係数を設定してはどうか。
 「ある程度の最低水準を保証する基礎係数」の意味は、これはどちらかと言うと「暫定調整係数」の説明なんです。「この際」というのは、移行するまでの間に最低水準を保証するということですので、最後の姿が「基礎係数」であって、その「基礎係数」に至るまでの間、「ある程度の最低水準を保証する基礎係数」、これは図で言えば(暫定的な調整係数の)(1)(2)のことを指しています。(委員ら、苦笑いしている)

 ▼ 医療課の職員が机の上でチャカチャカと作って、それで全国の病院の経営や医療者の勤務環境、患者の生命・健康が左右されてしまう。恐ろしいことだ。しかも、DPCの制度設計に実質的にかかわっているのは、企画官や課長補佐よりも下の若い職員だということを現場の医師らは知るよしもない。

 ですから、すみません、これ(最低水準を保証する基礎係数)はやや日本語としては適切ではなかったかもしれませんので、訂正させていただいても構わないのですが、(完全移行する平成XX年までの)間に「暫定調整係数」というようなものを設定させていただきたい。
ですから、「最低基準」というよりは「在るべき姿」で、「在るべき姿」については結論を得られていないと承知しておりまして、今後議論をしていきましょう、こういう趣旨です。(委員ら、困ったように笑っている)

 ▼ 「ごめんなさい、とりあえず延期したい」とはっきり言えばいいではないか。

[酒巻哲夫委員(群馬大医療情報部教授)]
 (笑いながら)確認ですが、これはもう「訂正」とはっきり言っていただいたということですね? 「この際、ある程度の最低水準を保証する基礎係数」は、「暫定調整係数」と訂正したと理解していいわけですね?

 ▼ わざわざ訂正させる必要はないだろう。本当に駄目駄目だな。

[保険局医療課・迫井正深企画官]
 訂正と理解していただいて構わないと思います。といいますのは、ここで言っている「基礎係数」は一番最後で「基礎係数」と私どもで考えていたものですから、文章は「この際」というふうになっていて、「この際」とはすなわち、「移行期間」のことを指しているのは明らかですので......。

 ▼ 法律の条文解釈をしているかのようだ。自分たちで作った文章ではないのか。

 あの......、少し矛盾いたしますので......、あの、すいません、ですから、具体的に提案させていただくとすれば、「この際、ある程度の最低水準を保証する基礎係数」の「基礎」を取っていただいて、「(ある程度の最低水準を保証する)係数を設定してはどうか」、その「係数」とはすなわち、「暫定調整係数」のことです。

 ▼ こういう説明を聴くと、改めて「官僚主導」だと実感する。民主党には医療政策に明るい議員はいないのか。政治主導で医療を再建するんじゃなかったのか。「暫定調整係数」や「基礎係数」などという"ブラックボックス"を許していいのか。


【目次】
 P2 → 「調整係数の段階的廃止」について ─ 資料説明
 P3 → 質疑① ─ 「移行期間は『暫定調整係数』で最低水準を保証」(企画官)
 P4 → 質疑② ─ 「激変緩和をどう設定するかで条件が変わる」(企画官)
 P5 → 質疑③ ─ 「時間をかけて、在るべき姿を議論」(企画官)
 P6 → 質疑④ ─ 「"ブラックボックス"を設定するつもりではない」(企画官)
 P7 → 「かなり理論武装しなきゃいけない」 ─ 西岡分科会長

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