診療報酬ネットで3%増、医療クラーク等10万人増を―医療費議連、決議文を明日幹事長に提出へ
民主党の国会議員160人から成る「適切な医療費を考える議員連盟(桜井充会長・参院議員)」は3日、2010年度診療報酬改定で「ネットでプラス3%以上」の改定を求める決議文を、明日にも幹事長室に提出することを決めた。補助金で医療クラークなどを10万人雇えるようにすることや、「事業仕分け」の対象になった「医師等人材確保対策の推進事業」の予算の倍増、漢方薬の保険適用の継続も求める。(熊田梨恵)
当初は今週中に厚労省と財務省の政務三役に決議文を提出する予定だったが、「システムとしてまず幹事長室に提出」(桜井会長)する必要があるとして、三役への要望は先送りになった。
同日の議連の会合で桜井会長が決議文案を示し、大筋で了承された。決議文案は大きく分けて4項目から成る。
財務省がマイナス改定の方針を打ち出している診療報酬改定については、「ネットでプラス3%以上の確保」を求める。桜井会長は会見で、「(医療費対GDP比を)OECD並みにするために、本当は4年の約束にしているが、それだと2回の改定しかない。それではきついから、1回3%ぐらい増やさないと追いつかない」と述べ、次回を含めて3回連続で診療報酬のプラス3%の改定を行い、マニフェストを実現させたいとした。診療報酬の詳細な内容については今後の議連で議論していくとした。
勤務医の事務負担軽減の観点から医療クラークなど補助人員の増員を図るため、旧労働省側の予算の「緊急雇用創出事業」から2000億円を確保し、約10万人分の人件費を捻出するとした。一人当たりの人件費を年間約400万円として、「半年分(の人件費)を考えている。3%アップを勝ち取れていれば、病院の収入は大幅に価値取れているはずなので、そこから回して下さいということ」(桜井会長)と、残る半年分の人件費は医療機関側で手当てするとして、雇用の"呼び水"にしたい考えだ。
一部が行政刷新会議の「事業仕分け」の対象になった、へき地・離島や産科・小児科などの医師を確保するための「医師等人材確保対策の推進事業」については、今年度予算の倍となる1000億円を求めていく。
また、同様に「事業仕分け」で保険適用から除外する方針が示された漢方薬について、保険適用を続けることも要望する。
なお、この日の議連会合では、「事業仕分け」で年間収入が「4200万円」と示された整形外科医の現状について、日本臨床整形外科学会からのヒアリングがあった。日本漢方生薬製剤協会からも保険適用を継続するよう求める報告がされた。